2022.10.21
お知らせ

<メルカリ物価・数量指数からわかる9月トレンド通信>物価指数上昇率1位「スポーツ(チケット)」、前年同月比約1.8倍

「トレーディングカード」「楽器・器材」が新たに物価上昇TOP10入り
コロナ禍で人気の「ルームウェア/パジャマ」の物価指数は下落に

メルカリ総合研究所より、「メルカリ物価・数量指数からわかる9月トレンド」をご紹介いたします。

「メルカリ物価・数量指数」について

「メルカリ物価・数量指数」は、月間利用者数2,000万人超のフリマアプリ「メルカリ」を活用し、「メルカリ」内の取引価格と流通数量の変動状況を、「メルカリ」における商品カテゴリー毎に月単位で表す価格指数・数量指数です。個人間商取引における消費者の需要を可視化していく世界初※1の取り組みです。各種データを参照した消費トレンドを発信している報道関係者をはじめ、物価変動を取り扱うマクロ経済学、消費者行動、マーケティング等の研究者に情報を開示し、経済・研究活動に寄与することを目的としています。

本ニュースレターでは、「メルカリ」の“中カテゴリー”に限定し、前年同月比で物価および数量指数が上昇、または下落した商品カテゴリーを紹介しています。

※1:メルカリおよびUTEcon調べ

9月のポイント

1. 「楽器・器材」の数量指数は緊急事態宣言を契機に急上昇し、その後一定をキープ。物価指数は過去最高に
2. 「トレーディングカード」の数量指数は2020年1月から大幅に上昇。物価指数は安定基調
3. 外出自粛をきっかけに数量指数が急上昇した「ルームウェア/パジャマ」、現在は下落傾向

2022年9月、物価指数が上昇・下落した商品カテゴリーTOP10(前年同月比)

※前年同月比 物価下落 TOP10は、100%未満のカテゴリーを掲載しています

<ピックアップ>「楽器・器材」の数量指数は緊急事態宣言を契機に急上昇し、その後一定をキープ。物価指数は過去最高に

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って増加した「おうち時間」。「メルカリ」では「楽器・器材」の取引が活発化し、数量指数も1回目(2020年3月)の緊急事態宣言中に急上昇していました。その後、数量指数は大きな下落をすることなく、「メルカリ」上でも安定的な取引が継続していることが示唆されます。一方、物価指数は急上昇を見せることなく徐々に上昇を継続しており、現時点では過去最高の物価指数となっています。

<ピックアップ>「トレーディングカード」の数量指数は2020年1月から大幅に上昇。物価指数は安定基調

日本玩具協会は2022年6月14日「東京おもちゃショー2022」の開催に合わせて、2021年度の国内玩具市場規模を発表。主要10分野のなかでも特に伸びが大きかったのが「カードゲーム・トレーディングカード」で、21年度の市場規模は1782億4900万円。前年比45.6%増、1年でおよそ1.5倍に伸長しています。メルカリの2020年トレンドワードでも大半がカードゲームが席巻しており、人気の高さがうかがえます。「メルカリ」では、ポケモンカードゲーム・ONE PIECEカードゲームなどが人気です。
※一般社団法人 日本玩具協会 玩具市場規模データ https://onl.tw/8M78L3w
※株式会社メルカリ 2020年12月 『2020年「メルカリトレンドワード」を発表』https://about.mercari.com/press/news/articles/20201202_trendwords/

,

<ピックアップ>外出自粛をきっかけに数量指数が急上昇した「ルームウェア/パジャマ」、現在は下落傾向

「ルームウェア/パジャマ」は、新型コロナウイルス感染症の拡大による1回目の緊急事態宣言をきっかけに数量指数が上昇していました。3回目の時も同じくやや上昇を見せており、コロナ以降2020、2021年共に5月に「ルームウェア/パジャマ」の取引が活発化する傾向がみられていましたが、2022年5月は数量指数の上振れはなく、全体的に数量指数は下落傾向となっています。

コメント


株式会社メルカリメルカリ総合研究所研究委員 志和あかね

楽器・器材は緊急事態宣言をきっかけに「メルカリ」での取引が活発化しました。以降も、数量指数がほぼ一定であることから「メルカリ」における取引は安定的に推移しています。さらに、物価指数も徐々に上昇を見せており、フリマアプリ、ひいては二次流通市場における「楽器・機材」の需要の高まり、流通する商品の品質の向上が示唆されます。
トレーディングカードは一次流通市場での人気と連動して「メルカリ」でも取引が増えている商品カテゴリーです。各社、光り方が異なるなどカードデザインの工夫がみられ、コレクションとしての人気もさることながら、投資商品としての一面も持つことからコレクターの間で「メルカリ」上の取引が活発化していることが考えられます。
ルームウェア/パジャマは緊急事態宣言(外出自粛)をきっかけに数量指数が急上昇。3回目の緊急事態宣言(2021年5月)時にやや取引が活発化しましたが、今年の5月にはそのような傾向はみられませんでした。外出自粛も緩和の傾向にあることから「ルームウェア/パジャマ」の取引も落ち着きつつあると考えられます。なお今回、前年同月比で物価指数下落TOP10にランクインしましたが、大きな要因としては2021年9月に物価指数がやや上昇しているためで、全体的に物価指数は上昇しています。