TCFD

TCFD提言に基づく情報開示

メルカリグループでは、気候変動問題を事業に影響をもたらす重要課題のーつととらえ、経営戦略に取り入れ、グループ全体で気候変動対策に積極的に取り組んでいます。2021年6月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。 TCFD提言は、全ての企業に対し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの項目に基づいて開示することを推奨しています。 メルカリグループは、TCFD提言の4つの開示項目に沿って、気候関連情報を開示いたします。

1. ガバナンス

ESGの視点や経営の意思決定および業務の執行プロセスに組み込む体制を新たに構築するために、上級執行役員会の諮問機関としてESG委員会を2021年12月より設置しています。経営における重要アジェンダの一つとして、ESGや気候変動関連に関する十分な議論の時間を定期的に確保することで、より質の高い議論を可能にし、上級執行役員会での意思決定の質を高めることを目的としています。また、各カンパニーごとにESG担当役員を選任し、ESG視点から事業に関する各種経営判断に関与することで、メルカリの各事業とマテリアリティごとのESG施策を両立し、かつスピーディーに実行・推進ができるような体制を確保しています。また、ESG担当役員は、ESG委員会の委員メンバーとして、メルカリグループ全体のサステナビリティ戦略に関する議論及び意思決定にも関与します。過去3回のESG委員会の議事概要はコーポレートサイトにて公開しています。

経営者の役割

ESG委員会では、代表取締役CEO(社長)山田進太郎を委員長とし、各カンパニーのCEOやESG担当役員など、委員長が指名したメンバーとともに、年に4回、マテリアリティごとの実行計画策定や進捗状況のモニタリングなどに取り組んでまいります。

2. 戦略

メルカリグループ全体を対象として、気候変動に関連する「移行リスク」「物理的リスク」「機会」を特定するためにシナリオ分析を実施しました。
シナリオ分析では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や国際エネルギー機関(IEA)等の科学的根拠等に基づき2つのシナリオ(1.5℃/2℃シナリオ、4℃シナリオ)を設定し、メルカリグループの2030年以降の社会を考察しています。シナリオ分析に基づく、気候変動に関連する主なリスクと機会は以下の通りです。

区分 気候変動がメルカリグループに及ぼす影響 事業インパクト 当社の対応策
リスク 物理的リスク 急性 自然災害の激甚化によるデータセンター等のダウン

自然災害の激甚化により、データセンターや電力会社が被災した場合、電気及びネットワークの中断、データーセンターのダウン等を引き起こし、顧客(売り手・買い手)がオンラインで販売及び購入できなくなる
・操業停止期間を減少させるBCPの構築
・災害復旧計画の検討
移行リスク 政策・法規制 カーボンプライシング導入等による燃料価格上昇による商品の配送コストの増加

カーボンプライシングの導入等、燃料価格上昇による商品の配送コストの増加は、顧客(売り手・買い手)に影響を与え、マーケットプレイスで販売される商品の需要に影響する
・サプライヤーエンゲージメントの強化の推進
移行リスク 評判 気候変動対応が不十分なことによる金融機関・投資家からの評判低下

投資家や金融機関から気候変動関連の対応や情報開示への要請が高まる中、対応が不十分であった場合、株価低下のリスクや資金調達への影響が想定される
・情報開示の充実化
・2030年までのScope1+2 100%削減と Scope3 付加価値あたり51.6%削減*1
機会 評判 環境意識の高まりによる、消費者選好の変化における競争力の強化

プラネット・ポジティブな消費者行動の浸透に伴うメルカリ利用者の増加と、メルカリを利用する新たな動機(環境貢献)を創出
・プラネット・ポジティブな消費者行動の浸透に伴うメルカリ利用者の増加
*1:当社の目標はカテゴリー1「購入した製品・サービス」が対象

事業/財務影響評価
  • • 大(30億円以上):事業戦略への影響または財務的影響が大きいことが想定される
  • • 中(1億円以上、30億円未満):事業戦略への影響または財務的影響が中程度と想定される
  • • 小(1億円未満):事業戦略への影響または財務的影響が小さいことが想定される

上記の通り、メルカリグループの事業活動にとっては、気候変動に伴う環境意識の高まりや消費者行動の変化によって創出される市場機会の方が気候変動リスクがもたらす影響よりも重大なものと評価しています。また、「環境意識の高まりによる、消費者選好の変化における競争力の強化」に関しては、プラネット・ポジティブな消費者行動の浸透に伴うメルカリ利用者の増加と、メルカリを利用する新たな動機(環境貢献)を創出しうる機会と捉えています。

3.リスク管理

メルカリグループでは、グループの事業が気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、シナリオの分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しています。特定したリスクと機会は、ESG委員会含むサステナビリティ推進体制において管理しています。案件に応じて、取締役会に報告・提言を行うフローも構築されています。
また、コンプライアンス・リスク管理委員会において、全社での重要リスクを特定しリスク管理を実施しており、気候変動リスクについても事業へ重大な影響を及ぼすリスクに対しての対応課題の検討および優先度の決定を行い対応方針を定めています。

4. 指標と目標

Scope1+2*1,2は2030年までに2020年比で100%削減、Scope3*3,4は2020年比で付加価値あたり51.6%削減を目指します。この目標値にて、2023年6月までにSBT認定を取得する予定です。

【FY2022(2021年7月~2022年6月) 排出量実績】
FY2022のメルカリグループ全体の温室効果ガス排出量は約3.8万トンで、以下の結果となりました。Scope1+2は75%削減達成、Scope3は原単位ベースで昨年度と比較し17%削減しました。2030年の目標達成に向け、引き続きさまざまなアクションを実行していきます。
graph_tcfd

*1:Scope1:自社での燃料使用による直接排出
*2:Scope2 : 他社から供給された電気・熱の使用に伴う間接排出
*3:Scope3 : Scope1、Scope2を除く企業活動のサプライチェーン排出量
*4:当社の目標はカテゴリー1「購入した製品・サービス」が対象