Material Topic 5

世界中の多様なタレントの可能性を解き放つ組織の体現

この取り組みを通じて目指すゴール: Goal:

世界中の多様なバックグラウンドを持つ人材がポテンシャルを最大限に発揮して働ける環境を整えることで、持続的に成長できる企業としてあり続けます。

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CHRO message

世界中の多様なタレントの可能性を解き放つ組織

ミッション達成のために、メルカリが最も重視しているのが「人」への投資です。
私のCHROとしてのコミットメントは、その投資対効果を最大化することです。

その大方針として「世界中の多様なタレントの可能性を解き放つ組織を体現」することをマテリアリティに掲げています。
「世界中の多様なタレント」について、メンバーの多様性は、創造力の源泉です。メルカリは世界中のプロフェッショナル人材を市場競争力のある報酬水準で獲得し、継続的な学習の機会を通じて育成していく方針で、現在約50ヶ国の優秀なメンバーが在籍しています。特にエンジニア組織の約50%以上が外国籍メンバーです。

「可能性を解き放つ組織」については、常に大胆な挑戦を促すための仕組みがあります。バリューに基づいて「ミッション実現に向けた大胆なチャレンジをしているか?」や「失敗や成功から素早く学んでいるか?」をあらゆるシーンでメンバー全員が徹底的に問いつづけています。その結果が、後述する「これまでの10年でメルカリが実現してきたこと」に表れていると言えます。

バリューの発揮度に応じた大胆な抜擢・登用の機会を増やし、属性に関わらない競争力のある報酬を実現するための仕組みも整えています。後述する男女間賃金格差の解消は、この方針に沿った判断です。

メルカリは、これから「メンバーが発揮する長期的なバリューの総量が最大化されるような投資判断」に一層のメリハリをつけていきます。そのために「バリューに基づいてメンバーに期待するアクション」をカルチャーとして明文化し、常にアップデートを続けています。これがメルカリにとっての「人」に対する具体的な投資判断基準になります。

CHRO
執行役員CHRO
木下達夫

Focus Areas

重点領域

  • 世界中のプロフェッショナル人材の獲得・育成
  • ダイバーシティ&インクルージョンの体現
  • ミッションの達成に向けて大胆な挑戦ができる組織カルチャーの醸成

FY2023.6 サマリ

創業10年を節目に、新たなグループミッションを策定。ミッション達成に向け、D&Iは不可欠なものとして推進を継続し、ジェンダー平等に関するグローバル認証「EDGE Assess」を日本企業として初めて取得。男女間賃金格差の解消に向けた是正アクションも実施。東京オフィスを「Mercari Base Tokyo」としてリニューアル。Mercari Indiaも設立し多様な人材・拠点による開発力を強化。

FY2024.6 方針

  • 多様なタレントとしての新卒採用強化
  • インド拠点拡大に向けた業務環境の構築・報酬制度の整備
  • インクルージョン強化に向けたD&I方針のアップデートと施策展開
  • メンバーのバリュー発揮を促すカルチャーアップデートと社内浸透

実績:人的資本ハイライト

    ダイバーシティ&インクルージョンの体現

    メンバーの多様性は創造力の源泉と考えており、誰もが3つのバリュー体現できるよう平等な機会を創造します。バックグラウンドに起因する差別や不利益を許容せず、定量・定性での現状把握と改善を続けます。
  • 公平性にフォーカスした取り組み

    • 基本的人権ポリシーの策定
    • 男女賃金格差の分析・是正・開示プロセスと報酬調整の実施
    • 昇格・登用プロセスの透明性向上・全社員共有
    • アサインメントへの機会の平等を担保するための仕組み「Bold Choice」を導入

  • 多様性の取り組み

    • 採用・登用候補者プールにおけるKPI(Process KPI)のモニタリング
    • 課題の特定と組織横断Action Planの策定
    • 採用施策の強化
    • ソフトウェアエンジニア育成プログラムBuild@Mercari2023の実施
    • 「神山まるごと高専」とのダイバーシティ&インクルージョン推進における学校教育パートナーシップの実施
    • キャリア再開支援プログラムMercari Restart Programの実施

    多様なメンバーがGo Boldに働ける環境の整備

    メルカリの人事制度は、アップサイドはあくまで報酬で社員に還元する方針です。そのうえでダウンサイドリスクをサポートするための制度「merci box」を導入しています。そのほか、多様なバックグラウンドを持つメンバーが活躍できる環境を整える「YOUR CHOICE」制度を用意し、コミュニケーションをより深めるための拠点として「Mercari Base Tokyo」をリニューアルしています。
  • merci box

    働き続ける上での不安を減らすためにダウンサイドリスク*を会社がサポートし、Go Boldに働ける環境を後押しする制度として「merci box」を2016年に導入、適宜見直しながらニーズにあったものを提供。

    *ダウンサイドリスク:誰もが人生の特定のタイミング等で直面する可能性があるもの。可能な限り個人で努力をしたとしても、個人の負担で乗り切るには精神的にも経済的にも負担が大きく解決策も限られ、仕事へのパフォーマンスに影響を及ぼすもの

  • YOUR CHOICE

    個人・組織のパフォーマンス最大化につながるよう、多様なバックグラウンドを持つメンバーが活躍できる環境を整えるために2021年に導入した人事制度。

  • Mercari Base Tokyo

    オンライン、オフラインに問わず組織が一体となり、ミッションの達成に向けて社員同士がコミュニケーションをより深めることを目指し、2022年9月に東京オフィスを「Mercari Base Tokyo」としてリニューアル。オフラインで集まって業務を行う際に活用できるプロジェクトエリア、社員同士が気軽にコミュニケーションを取れるラウンジスペース、裸足でリラックスできるスペースや個人用集中ブースなど、個人やチームが新しい働き方を実現させるさまざまなエリアを配置。

    男女賃金格差の是正

    調査の結果「説明できない格差」が7%あることが判明し、そのギャップを解消するための個別報酬調整を実施しました。これは「属性に関わらない競争力のある報酬を実現するための仕組み」の一環です。

    男女間賃金格差の分析結果


    男女間賃金格差(男性と女性の平均給与の差)は37.5%でした。また、重回帰分析により「説明できない格差」を分析したところ、約7%存在することがわかりました。 説明可能な格差は主に男女のグレード分布の差に起因するもの 賃金格差の要因分析を行なった結果、有意に影響している要素のほとんどは、入社時年収の男女差であることが判明しました(入社時点で「説明できない格差」が約9%存在している)。


    実施したアクションと今後の取り組み


    • 重回帰分析を使用した定期的な賃金格差のモニタリングを導入
    • 2023年7月の全社員向け集会で、リーダーシップから男女間賃金の公平性を積極的に担保する方針について共有
    • 特定された「説明できない格差」を2023年8月に是正し、7%から2.5%まで縮小
    • 組織外からの賃金格差を引き継がないための、採用プラクティスの見直し