二次流通データを軸に、パートナー企業と新たな「売買」体験を創造
フリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリは、2020年2月20日(木)、報道関係者様およびパートナー事業者様を対象に、今後の事業構想や戦略を発表するメルカリ初の事業戦略発表会「Mercari Conference 2020」を開催いたしましたので、お知らせいたします。
フリマアプリ「メルカリ」は、2013年7月のサービス開始以来、「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」をミッションに、個人が簡単かつ安心・安全にモノの売買が可能なマーケットプレイスを目指し、エスクロー決済や「メルカリ便」、AI出品/バーコード出品などの機能をはじめとするアプリ内の機能改善や、「メルカリ教室」・梱包資材の販売などオフラインでの取り組みを推進してまいりました。その結果、サービス開始から6年半で、月間利用者数は1,538万人、年間流通総額は4,900億円※を超え、2020年1月には累計出品数が15億品を突破するなど、日本最大のフリマアプリへと成長しています。
※出所:メルカリ事業(JP)FY2020.06 2Q決算概況
一方で、日本における「不要品」と言われている物の年間推定価値は約7.6兆円※1とも言われ、フリマアプリの市場規模は、今後も更なる成長余地が見込まれます。また「メルカリ」内で最も取扱量の多いカテゴリーである衣料品においては、年間約94万トンが廃棄されていると言われており※2、循環型社会の実現に向けた資源の最適化に対する社会的要請も高まっています。
※1 出所:経済産業省(2018年4月)、アンケート回答者が過去1年間で必要なくなったと回答した製品の推定価値の合計。自動車、バイク、原付バイクは含まれない。
※2 出所:(独)中小企業基盤整備機構「 「繊維製品3R関連調査事業」報告書 2010 年」
本カンファレンスでは、メルカリグループの掲げる事業の三本柱「メルカリ日本事業」「メルカリ米国事業」「メルペイ事業」の中でも、中核を担う「メルカリ日本事業」の今後の戦略として、「CONNECT」をコンセプトに、「1.パートナー企業との連携を通じた出品施策の拡大」「2.データ連携を通じた一次流通と二次流通の融合」について発表させていただきました。
以下、発表要旨となります。
1. パートナー企業との連携を通じた出品施策の拡大
〜「売ること」をもっと身近でかんたんに〜
「メルカリ」日本事業では、「出品」と「購入」双方の成長がマーケットプレイスの拡大において重要と考え、2019年後半より「出品」を向上する施策に注力しております。当社の調査によると、「出品意向があるのにまだ出品を経験したことがない」潜在出品顧客は3,610万人存在すると推計しており、「不要なモノをメルカリで売る」という経験を、より多くのお客さまに提供していくことがメルカリ事業の成長に寄与すると考えています。
今後、よりオフラインの場や日常生活の中で簡単に出品ができる世界を実現するための施策方針として、パートナー企業との連携を通じた「ワンストップで出品が可能なリアル店舗の展開」「梱包・発送の選択肢の拡充」「生活導線上への無人発送拠点の設置」という3つの軸で今後ローンチ予定の下記施策を発表いたしました。
1.ワンストップで出品が可能なリアル店舗の展開
「メルカリ」初の店舗業態「メルカリステーション」を新宿マルイ本館に今春オープン
出品経験のない潜在顧客層へのタッチポイント拡大を目的に、ワンストップで出品体験を提供する「メルカリ」初のリアル店舗「メルカリステーション」を展開いたします。「メルカリステーション」は、「メルカリ」の使い方を学べる「メルカリ教室」、出品したい商品の写真撮影、梱包資材の購入と梱包、不明点をカスタマーサービスに質問できるライブチャット、商品を投函するだけで発送できる「メルカリポスト」などの機能を店舗サイズごとに組み合わせて展開可能な店舗です。全国のショッピングモール・商業施設内での出店を予定しており、今春からモデル店舗を展開し、2021年夏までに全国主要10都市での展開を目指します。
第一号店として、株式会社丸井(本社:東京都中野区、代表取締役社長:青木正久、以下丸井)が運営する新宿マルイ本館に旗艦店舗を今春出店いたします。なお、丸井とメルカリは両社の事業拡大および、両社のお客さまの更なる利便性とサービス向上を目指し業務提携を締結し、丸井が運営するマルイ全店への「メルカリステーション」の拡大を目指します。
詳細は下記のプレスリリースをご覧ください。
※メルカリ、丸井と業務提携を締結
2.梱包・発送の選択肢の拡充
面倒な梱包・発送をお任せできる「あとよろメルカリ便」2020年2月より試験運用開始
お客さまが「メルカリ」に出品完了した商品(複数可)を提携倉庫に発送いただくことで、その後商品が売れるまでの商品の保管と、売れた後の梱包・発送作業を提携業者が代行する「あとよろメルカリ便」を開始いたします。これにより、「商品が売れるまで家の中で場所をとって困る」「売れた後の梱包・発送が面倒」といったお客さまの課題を解決します。
なお、本サービスは、荷主・倉庫会社・配送会社をネットワーク化し、従量課金で利用可能な物流Eコマースサービスを提供する株式会社オープンロジ(本社:東京都豊島区、代表取締役CEO:伊藤秀嗣、以下オープンロジ)と「メルカリ」のAPIを連携し、オープンロジの提携倉庫で、商品管理・保管、梱包・送付までの作業対応を行います。一部の出品者向けに2020年2月からサービスを試験的に提供し、本格的なサービス提供に向けた運用テスト・体制の強化等を進めてまいります(利用方法・料金体系等の詳細については、正式開始時にお知らせいたします)。
3.生活導線上への無人発送拠点の設置
お客さまが無人で発送可能な投函ボックス「メルカリポスト」を全国5,000か所に設置
スタッフ不在でも無人で商品を発送可能な投函ボックス「メルカリポスト」を全国に展開いたします。「メルカリ」で商品が売れた後、アプリに表示されるQRコードを「メルカリポスト」にかざすと自動で発送ラベルが印刷され、貼付した商品を投函するだけで発送が完了します。今春、マルイ新宿本館にオープン予定の「メルカリステーション」に設置を予定しているほか、今夏より全国のドコモショップをはじめ、「メルカリ」のお客さまの生活導線上、人口密集地を中心に設置を開始し、2023年までに全国5,000か所への設置を目標とします。
■「メルカリポスト」紹介ページ
https://pj.mercari.com/mercaripost/
「メルカリポスト」の運営は、ヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:栗栖利蔵)を集荷パートナーとして展開してまいります。詳細は、下記のプレスリリースをご覧ください。
※「メルカリ」で売れた商品が発送できる無人投函ボックス「メルカリポスト」を今夏より開始
また、「メルカリポスト」の進化版として、「メルカリ」の利用・発送に便利な機能をテクノロジーを活用して実現する、次世代型ワンストップ端末「メルカリポストプラス」の開発・展開をパナソニック株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役社長:津賀一宏)と共同で進めてまいります。「メルカリポストプラス」の詳細については、実用化の開始時に発表いたします(今春予定)。
メルカリは今後も外部の多様なパートナー企業の皆様との連携を通じ、誰もが自由にモノの売買をできる世界の実現に向けた取り組みを推進してまいります。
2. 二次流通データを軸に一次流通企業とのデータ連携を開始
〜「売ること」をもっと身近でかんたんに〜
「メルカリ」は、2013年7月のサービス開始から約6年半で累計出品数が15億品を突破するなど国内最大のフリマアプリとして急成長を続ける中で、二次流通市場に関する膨大なデータを蓄積してきました。メルカリが保有する二次流通データには、数十億規模の商品データ、月間1,500万人を超えるお客さまの属性データ・行動データなど、今まで小売・メーカーなど一次流通企業単独では把握が難しかったデータも含まれています。
今後、一次流通企業が保有する商品データや顧客データと、メルカリが保有する二次流通データを連携し、二次流通も含めた商品のライフサイクルやお客さまのカスタマージャーニーを可視化することで、企業のマーケティングや商品企画、新たなソリューション開発など、一次流通市場の活性化と新たな購買体験・顧客体験の創造を目指して参ります。
※利用の際には、個人情報に配慮し、お客さまの同意を得る前提で、データ活用を行ってまいります。
メルカリでは、今後、一次流通分野のパートナー企業様とともに、下記のデータ連携に関する取り組みを開始いたします。
データ連携の取り組み
1.顧客データ連携
小売・メーカー等の一次流通企業が保有する自社顧客のデータ(ID)と、「メルカリ」のお客さまデータ(ID)を連携することで、双方のアカウントが保有する購入履歴などのデータを共有可能になります。これにより、一次流通企業は自社が保有するデータに加えてメルカリ上の購入・検索・閲覧等のアクションデータも把握することが可能になり、自社EC・店舗等で、更に顧客にあわせた商品提案などを行うことができます。また、一次流通企業のお客さまにおいては、「メルカリ」とIDを連携することにより、自身の購入履歴が「メルカリ」に自動で反映されるようになり、商品の出品時には説明文等の入力不要で簡単に出品可能となります。
2.地域データ連携
一次流通企業の店舗に設置いただく「メルカリステーション」や「メルカリポスト」において、「メルカリ」利用者の発送エリアや利用時間帯等、オフラインでのアクションデータをもとに、近隣の店舗への来店・利用を促進します。
また、「メルカリ」で売れた商品の発送に訪れたお客さまに対して、「メルペイ」での割引クーポン等を発行し、店舗での購入を促すなどの取り組みも同時に行うことで、更なるデータの蓄積・マーケティングの精度向上を図ります。
3.商品データ連携
一次流通企業が保有する商品のカタログ(SKU)データを「メルカリ」と連携することで、「メルカリ」に出品されている商品をカタログデータと紐付けます。これにより、各商品毎に「メルカリ」内における動向データ(地域や属性別の出品・購入数や出品価格、閲覧数等)をダッシュボード形式で閲覧できるようになり、自社のマーケティングや商品企画等に活用することが可能になります。また、「メルカリ」のお客さまにおいては、個別の商品(SKU)単位で出品物の検索や閲覧、比較等が可能になるほか、出品時の情報入力においてバーコード読み取りやAI画像認識等で出品したい商品がカタログデータと紐づくことにより、出品時の価格サジェストや情報入力等が簡易化されるようになります。
さらに、商品カタログデータの連携に加えて、「メルカリ」内での個別の商品ページから自社ECへの新品購入導線も設置することが可能になります。既に書籍やCD・ゲーム等一部領域において展開している取り組みを、他のカテゴリーにも拡大することにより、お客さまにおいても、例えば衣料や化粧品といったカテゴリーで一般出品者からの出品物が売り切れだった場合や、中古品と比較検討のうえ新品を購入したいといった場合にシームレスに新品を購入いただくことが可能となります。
データ連携パートナーを発表
今回発表したデータ連携を共同で実現するパートナーとして、下記企業との提携を発表しました。
1.丸井が運営するマルイ店舗およびEC「マルイウェブチャネル」との連携
丸井の運営するECサイト「マルイウェブチャネル」と「メルカリ」のデータを連携したソリューションの検討に取り組みます。例えば、お客さまが「メルカリ」アプリ内で商品検索をした際に「マルイウェブチャネル」の商品を表示して商品選択肢を増やしたり「マルイウェブチャネル」で購入した商品を「メルカリ」の持ち物リストと連携して出品しやすくしたりする等、お客さまの利便性向上を目的とした様々な施策を検討してまいります。詳細は、下記のプレスリリースをご覧ください。
※メルカリ、丸井と業務提携を締結
2.「STAFF START」を通じたアパレルECとの連携
「メルカリ」内で全体の4割と最大の取引量を占めるファッションカテゴリにおいて、アパレルメーカーの持つコーディネート画像データとの連携、および「メルカリ」からアパレルECへの送客を今春より開始します。初期パートナー(五十音順)として、株式会社アダストリア(本部:東京都渋谷区、代表取締役会長兼社長:福田三千男)、株式会社パル(本社:大阪市中央区、代表取締役:松尾勇)、株式会社ベイクルーズ※(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:杉村茂)との連携を予定しています。
※ベイクルーズ内の連携対象ブランドについては検討中
なお、本取り組みは株式会社バニッシュ・スタンダード(本社:東京都港区、代表取締役:小野里寧晃)が運営する「STAFF START」のコンテンツと連携し、「メルカリ」内にコーディネートから服を探す「コーデ機能」の提供により実現いたします。本施策を通じ、コーディネート画像から直接アパレル企業の保有する自社ECサイトに遷移できるようになります。
※「STAFF START」はアパレルのショップスタッフが撮影したコーディネートに商品情報を紐づけ、ブランドの自社サイトやSNSに投稿することのできるサービスです。
3.アイスタイルが運営する「@cosme」とのデータ連携
国内最大のコスメ・美容の総合サイト「@cosme」を運営する株式会社アイスタイル(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:吉松徹郎)と包括業務提携を締結し、「@cosme」の商品データと「メルカリ」のデータを連携することで、「@cosme」が保有する化粧品の一次流通での購買データに加え、「メルカリ」の持つ二次流通市場の商品別取引数や平均価格等の統計情報といった、これまで把握できなかった二次流通市場の情報についても、化粧品メーカーに対して可視化することを目指します。
また、「メルカリ」と「@cosme」のIDを連携することで、「メルカリ」および「@cosme」のお客さまの体験の向上を目指します。詳細は、下記のプレスリリースをご覧ください。
※メルカリ、アイスタイルと包括業務提携を締結
4.NTTドコモとの提携に関する今後の構想を発表
本カンファレンスに先駆け、メルカリ・メルペイとNTTドコモ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:吉澤和弘)は、2020年2月4日に業務提携を発表※いたしました。まずは、2020年5月に「メルカリID」と「dアカウント®」のIDを連携し、将来的にはdポイント加盟店での購入履歴を「メルカリ」と連携することで、購入した商品をより簡易に「メルカリ」に出品できることを目指します。また、全国のドコモショップに「メルカリポスト」や梱包資材の設置を拡げていき、「メルカリ」の出品・梱包・発送を一括して提供してまいります。
ID連携により各種データが繋がることで、新規の購買から、「メルカリ」での出品・梱包・発送、そして、また次の購買へと新たな顧客体験を提供し、将来的にはこれらのデータを蓄積することで、販促ソリューションの開発等を検討してまいります。
※提携内容の詳細は2月4日発表のプレスリリースをご覧ください
メルカリは、「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」ミッションを実現すべく、日本最大のフリマアプリとして蓄積してきた二次流通データを軸に、一次流通と二次流通を融合した新たな購買体験を創造し、パートナー企業の皆様とともに「売買」に新たな価値を提供してまいります。
カンファレンスの写真は、以下よりダウンロード可能です。
(本日17:30以降〜2/26まで)
https://about.mercari.com/press/press-kit/