フリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリ(以下、メルカリ)は、第五回「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」(座長:慶應義塾大学・大学院商学研究科 准教授/ケンブリッジ大学訪問教授 梅津光弘氏)を2020年11月19日に開催いたしましたので、その概要を公開いたします。
なお、本有識者会議は新たに追加会議の開催が決定しており、最終的なPrinciples(原理・原則)の公開時期については決まり次第お知らせします。
■「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」第五回 概要
- 日時:2020年11月19日(木)15:30~16:30
- 場所:株式会社メルカリ 東京オフィス会議室およびオンライン
- 議題:
- Principlesの修正案について
- 人気高騰商品の転売への対応方針について
- 出席者:
- 梅津光弘委員(座長/慶應義塾大学・大学院商学研究科 准教授/ケンブリッジ大学訪問教授)
- 磯貝友紀委員(PwC Japanグループ サステナビリティ・センター・オブ・エクセレンス テクニカル・リード/ PwCあらた有限責任監査法人 パートナー)
- 大木良子委員(法政大学 経営学部 教授)
- 軍地彩弓委員(編集者/ファッション・クリエイティブ・ディレクター)
- 坂井豊貴委員(慶應義塾大学 経済学部 教授)
- ハヤカワ五味委員(株式会社ウツワ代表取締役)
- 山口真一委員(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授)
- 田面木宏尚委員(株式会社メルカリ上級執行役員 メルカリジャパン CEO)
※委員プロフィール等詳細はこちらをご覧ください。
※これまでの「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」議事概要は以下をご覧ください
・第一回議事概要
・第二回議事概要
・第三回議事概要
・第四回議事概要
■議事概要
- 事務局から、「Principles(原理・原則、以下Principles)草案」の修正案および対応方針に関する論点を提示し、有識者会議メンバーで自由討議を行った。なお、事務局が提示した改定案および論点は以下のとおり。
- 「倫理性・人道性」という言葉をPrinciples内で用いるべきかどうかについて
- 人気高騰商品の転売への対応方針について
【議事サマリ】
1) Principlesの修正案について
- 「倫理性・人道性」という言葉をPrinciples内で用いるべきかどうかについて、以下の議論があった。
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- 安心・安全等他の項目にまとめられるか
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- 「差別的表現」と「誹謗中傷」は押さえるべき点。前者は「安心・安全」に、後者は「信頼」に盛り込まれており、その点では安心・安全の項目にまとめることに懸念すべきことはない。
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- 差別的表現や人道性が、安心・安全の概念に含まれるかは疑問。前者は売買されるものの性質に関わる概念で、後者は売買の手続きに関わる概念。
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- Principlesの性質の側面
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- 「倫理性・人道性」といった概念を用いないこと、及び「安心・安全」という概念が冒頭に来ることは、憲法のような位置づけとなるPrinciplesにはふさわしくないのではないか。
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- 人により「倫理性・人道性」の解釈が異なることを理由に外すのはいかがか。解釈が異なるのであれば、社会とともに考えていくというのも対応策となる。
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- 一方で、難しい表現ではなく、読み手にわかりやすい表現であることも重要。
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2) 人気高騰商品の転売への対応方針について
- 以下の理由により、Principles案に照らすと、委員間ではメルカリが人気高騰商品の転売に積極的に対応する必要はないとの見解であった。
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- 一次流通に在庫が大量にあれば、メルカリ内で高額で出品されたものも売れなくなり、メルカリ内の過剰在庫となり、しばらくすれば値段が下がるはず。
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- 人命に関係するものではなく、しばらく待てば一次流通の在庫も増える種類のものも多いのではないか。
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- 需給バランスの反映の結果として、値段が上がることは自由経済においては当然ありえること。
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- 高額出品を規制する場合、その合理性を説明する必要がある。説明できなければ、価格を自由につけられないマーケットであると捉えられかねない。
- 他方、以下の指摘もあった。
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- 人気高騰商品の転売を不快に思うという意見が一定数あることに留意する必要がある。
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- 現在ご利用いただいているお客さまにとっても、メディアで問題として取り上げられることで、メルカリに対する不信感が高まり、取引相手の実態に気を遣いながら取引をする必要が生じてしまう。
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- 一次流通で販売時の対策がなされているのであれば、そのフォローができるようになっていると良い。
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- この点は、連携に消極的な意見もあった。
- 現状でも対応が取られているが、無在庫販売等の場合は対応が必要。
- 不正な出品の恐れがある場合に注意喚起が出る等、UXで解決できる部分もあるだろう。
- 出品規制等の措置をするのであれば、Principlesに照らして説明できる措置とする必要がある。
- この点は、連携に消極的な意見もあった。
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- なお、この議論を通して、Principlesの位置づけについて、以下の意見も出された。
- Principles自体は関連の細則や実務ルールのベースとなる憲法的な位置付けのものと捉え、ある程度、抽象的な概念を記述するようなものとし、人気高騰商品への対応のような細かな点はPrinciplesを策定した後、議論をした上で細則等に落とし込むのではどうか。
- 今はPrinciplesを策定し、それを用いたコミュニケーションを通じて、メルカリというマーケットプレイスの形成や、世間の意識形成をしていくことが重要だろう。
- 結果的に、引き続き、Principlesそのものについても議論を継続することとなった。
- なお、この議論を通して、Principlesの位置づけについて、以下の意見も出された。
■今後のスケジュール
- 追加会議の開催(12月上旬を予定)
- 最終的なPrinciples(原理・原則)の公開時期については決まり次第お知らせします。
以上