2025.3.26
プレスリリース

【物流・飲食・小売業界のスキマバイト活用実態に関する調査】人手不足対策として「スキマバイトサービスの利用」が「パート・アルバイトの新規募集」に次いで 2番目にランクイン

およそ3店舗に1店舗が 「スキマバイトがないとお店が回らない」と回答。
〜専門家「人手不足社会では組織形成においても“関係人口”の創出が鍵」〜

株式会社メルカリ(以下、メルカリ)は、2024年3月に提供を開始したスキマバイトサービス「メルカリ ハロ」に関連して、事業者が次年度の人手不足対策を考える年度末に、スキマバイト利用の多い3業界に焦点を当てた「物流・飲食・小売業界のスキマバイト活用実態」に関する調査を実施いたしました。本調査では、人手不足を感じ、スキマバイトを活用している物流・飲食・小売事業者600名を対象に人手不足課題やスキマバイト活用実態を調べました。

メルカリは、2024年3月からスキマバイトサービス「メルカリ ハロ」の提供を開始し、1年弱で登録者数が1,000万人を突破※1し、直近1年のスキマバイトサービス新規登録会員数が業界No.1※2となりました。スキマバイト業界全体の登録会員数も大きく伸長しており、スポットワーク協会によると、2025年2月15日時点のスキマバイト登録会員数は約3,200万人となり、約1年で2倍超の規模に拡大しています。
※1:スキマバイトサービス「メルカリ ハロ」の利用規約に同意した登録者の累計(2025年2月15日時点)
※2:スポットワーク協会が発表する「スポットワーク登録会員数」に基づく(期間:2024年2月〜2025年2月)

スキマバイト普及の背景には構造的な人手不足課題があり、今年2025年は史上初めて、労働力不足が500万人分を突破※3しています。加えて、昨年は2024年問題で物流業界が、今年は2025年問題で医療・介護・福祉業界が、2030年問題では飲食業界が人手不足による深刻な影響を受けるなど、各業界によって異なる人手不足事情を抱えています。
※3: 株式会社パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計2030」

一方で働き手側に目を向けると、フリーランスの増加や副業解禁など、働き方の多様化が進んでいます。さらに今年は「103万円の壁」撤廃によって通常のパート・アルバイトとスキマバイトの掛け持ちなど、働き方のハイブリッド化が活発になることが予想される中、事業者にとってもスキマバイト活用が重要となることが考えられます。

このような背景を受けて、スキマバイト活用が特に多い業界に焦点を当てて、物流・飲食・小売業界のスキマバイト利用事業者600名の声を元に各業界の人手不足事情やスキマバイトの活用実態を明らかにし、事業者にとってスキマバイト活用法を知るきっかけを作るために本調査を実施いたしました。

【結果サマリー】

● 人手不足対策としてのスキマバイト活用の浸透について

  • 物流・飲食・小売業界のスキマバイト利用事業者のうち83.3%は「人手不足が深刻」と回答
  • 物流・飲食・小売業界のスキマバイト利用事業者のうち、3店舗に1店舗(31.2%)が「スキマバイトサービスがないとお店が回らない」と回答
  • 人手不足対策として行っていることとして「アルバイト・パートの新規募集(75.7%)」に次いで「スキマバイトサービスの利用(45.3%)」が第2位にランクイン
  • スキマバイトサービス利用事業者のうち、1年以内に活用した事業者が約6割(60.5%)
  • 約6割(57.8%)が直近1年でスキマバイトサービスの活用が増えたと回答
  • 約8割(78.5%)がスキマバイトサービスに満足だと回答しており、約7割(70.3%)が今後もスキマバイトサービスの活用に前向き

● 業界別に見るスキマバイト活用の違い

  • 物流業界は月曜・水曜・木曜日等の平日のスキマバイト活用が他業界と比較して多い傾向。飲食・小売業界は週末の金曜・土曜・日曜に集中
  • スキマバイトを活用する時間帯として、物流業界は早朝・深夜、飲食業界はピーク帯、小売業界はピーク帯の手前が他業界より高い結果に
  • 1回あたり雇用するスキマバイトの人数は物流業界が平均15.7人で飲食業界(平均3.4人)と比較して4倍以上
  • 非正規雇用における就業形態の内訳を見ると、物流・小売業界では2割近くがスキマバイト。小売業界では10割スキマバイトで回している店舗も
  • スキマバイトの方が働きやすいように工夫していることについて、物流業界は「マニュアルを用意している(43.0%)」が最多、飲食業界は「なじみやすい雰囲気づくりをしている(48.0%)」が最多

 

【物流・飲食・小売業界の「メルカリ ハロ」活用実態】

  • 「メルカリ ハロ」でも「物流・倉庫」「販売・接客・サービス」「飲食・フード」の募集数がTOP3に
  • 「メルカリ ハロ」での初勤務は約8割(78.0%)が「物流・倉庫」「販売・接客・サービス」「飲食・フード」のいずれか
  • 「想定より幅広い世代の人が来て採用の間口が広がった」「メルカリ ハロでスキマバイトをした人がそのまま買い物してくれることが増えた」といった声も

■調査概要

調査タイトル:「物流・飲食・小売業界のスキマバイト活用実態に関する調査」
調査期間:2025年3月4日(火)~2025年3月6日(木)
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:全国、男女、18歳以上の人手不足を感じており、
スキマバイトを活用している事業者
※グラフ内の数値は小数点第二位以下四捨五入

■専門家コメント

株式会社人材研究所 代表取締役社長 曽和 利光氏

プロフィール
愛知県豊田市生まれ、関西育ち。灘高等学校、京都大学教育学部教育心理学科。在学中は関西の大手進学塾にて数学講師。卒業後、リクルート、ライフネット生命などで採用や人事の責任者を務める。その後、人事コンサルティング会社人材研究所を設立。日系大手企業から外資系企業、メガベンチャー、老舗企業、中小・スタートアップ、官公庁等、多くの組織に向けて人事や採用についてのコンサルティングや研修、講演、執筆活動を行っている。著書に「人事と採用のセオリー」「人と組織のマネジメントバイアス」「できる人事とダメ人事の習慣」「コミュ障のための面接マニュアル」「悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?」他。現在、Y!ニュース、日経、労政時報、Business Insider、キャリコネ等、コラム連載中。

コメント
「スキマバイトは「その場しのぎ」ではなく、企業の競争力を左右する時代へ」

人手不足が深刻化する中、スキマバイトの活用が広がっています。物流・飲食・小売といった業界では、慢性的な人材不足が続いており、正社員やパートだけでは対応しきれない状況です。調査でも、約3店舗に1店舗(31.2%)がスキマバイトサービスがないとお店が回らないと回答していますが、活用できている企業とそうでない企業には大きな差があります。ポイントは、「スキマバイトを単なる穴埋めの手段とするのか、それとも採用戦略の一部として位置づけるのか」という点です。スキマバイトを有効に活用している企業では、未経験者でも短時間で業務に適応できるような仕組みを整えています。業務内容を細分化し、すぐに理解できるマニュアルを用意することで、初日から戦力として働ける環境を整備しているのです。一方で、「とりあえず人を入れればなんとかなる」と考えている企業では、現場が混乱し、スキマバイトをうまく活用できていません。スキマバイトを「その場限りの関係」のように扱ってしまうと、継続的に人が集まりにくくなります。一度働いた人がリピートしやすい仕組みを作ることが重要です。リピーターが増えれば、教育にかかるコストが削減され、即戦力としての定着も進みやすくなります。「スキマバイトばかりでは業務が回らない」と言う企業があるとすれば、それは企業側の受け入れ体制に問題があると捉えるべきでしょう。スキマバイトはもはや一時的な労働力ではなく、企業の競争力を左右する重要な要素になりつつあります。「雇ってあげる」という時代はすでに終わりを迎え、「どうすれば選ばれるか」を真剣に考えなければ、人材の確保はますます難しくなっていきます。スキマバイトを活用する企業は、単なる人手不足を解消するための手段ではなく、「長期的に関係を築ける採用母集団を拡充する戦略」として捉えるべきでしょう。

 

調査結果詳細

● 人手不足対策としてのスキマバイト利用の浸透について

物流・飲食・小売業界のスキマバイト利用事業者のうち83.3%は「人手不足が深刻」と回答

人手不足の深刻度について質問したところ、83.3%の物流・飲食・小売業界のスキマバイト事業者が「人手不足が深刻」と回答しました。

また、スキマバイト導入のきっかけについても質問したところ、「繁忙期/閑散期に合わせて雇えるため(46.5%)」「短い時間でも募集することができるため(43.2%)」「突発的な人手不足に対応できるため(39.2%)」など、スキマバイトの柔軟性に関する項目が多く挙がった他、およそ3店舗に1店舗(31.2%)が「スキマバイトがないとお店が回らない」と回答しました。

人手確保が難しい要因TOP3は、「繁忙期・閑散期の差が激しくレギュラーバイト(派遣)を起用するとコストがかかるため(38.0%)」「セールなどの繁忙期が突発的に来るため(37.5%)」「早朝・深夜などの人が集まりにくいシフトもあるため(37.3%)」

人手確保が難しい要因について質問したところ、「繁忙期・閑散期の差が激しくレギュラーバイト(派遣)を起用するとコストがかかるため(38.0%)」「セールなどの繁忙期が突発的に来るため(37.5%)」「早朝・深夜などの人が集まりにくいシフトもあるため(37.3%)」がトップ3となり、いずれもレギュラーバイトだけでは解決が難しい課題が上位にランクインしました。

人手不足対策として行っていることは「アルバイト・パートの新規募集(75.7%)」に次いで「スキマバイトサービスの利用(45.3%)」が第二位にランクイン

人手不足対策として行っていることとして、「アルバイト・パートの新規募集(75.7%)」に次いで「スキマバイトサービスの利用(45.3%)」が第二位にランクインし、「働き手への賃金の一時的なアップ(44.5%)」「派遣事業者の利用(31.7%)」などを超え、人手不足対策のメジャーな選択肢として定着しつつあることが分かりました。

約6割(57.8%)が直近1年でスキマバイトサービスの活用が増えたと回答

スキマバイトサービスの利用開始時期について質問したところ、「直近3ヶ月以内(10.5%)」「直近半年以内(15.5%)」「直近1年以内(34.5%)」で、合計60.5%の事業者が1年以内にスキマバイトを活用し始めたことが分かりました。また、直近1年のスキマバイトサービス活用について質問したところ、「増えた(19.8%)」「やや増えた(38.0%)で、合計57.8%が直近1年でスキマバイト活用が増えたと回答し、直近1年でスキマバイトを利用する事業者の数だけではなく、利用頻度も増加していることが分かりました。

約8割(78.5%)がスキマバイトサービスに満足だと回答しており、約7割(70.3%)が今後もスキマバイトサービスの活用に前向き

スキマバイトの満足度を質問したところ、「とても満足だ(13.2%)」「満足だ(65.3%)」で合計78.5%がスキマバイトサービスに満足だと回答しました。また今後の利用意向についても質問したところ、「非常に活用に前向きである(16.8%)」「活用に前向きである(53.5%)」 で合計70.3%が活用に前向きであるという結果になりました。

● 業界別に見るスキマバイト活用の違い

物流業界は月曜・水曜・木曜日等の平日のスキマバイト活用が他業界と比較して多い傾向。飲食・小売業界は週末の金曜・土曜・日曜に集中。

スキマバイトを活用する曜日について質問したところ、物流業界では「月曜(26.0%)」「水曜(28.5%)」「木曜(25.5%)」が飲食・小売業界と比較して10〜15pt高い傾向が分かりました。一方で飲食業界においては「金曜(33.5%)」「土曜(39.0%)」「日曜(36%)」が高い結果となり、小売業界は「土曜(30.5%)」「日曜(33.0%)」が高い結果となりました。

物流業界は早朝・深夜、飲食業界はピーク帯、小売業界はピーク帯の手前が他業界より高い結果に

スキマバイト活用の時間帯についても質問したところ、物流業界はアルバイトや派遣社員が集まりづらい「早朝(4時~7時頃)」「深夜(22時~3時頃)」に人手が足りず、飲食業界は営業ピーク帯である「お昼(12時~13時頃)」「夜(19時~21時頃)」、小売業界は品出し等の準備の際にスキマバイトを活用するケースが多いことから、営業ピーク帯の少し手前の「午前(8時~11時頃)」「夕方(17時~18時頃)」でのスキマバイト活用が他業界より高いことが分かりました。

1回あたり雇用するスキマバイトの人数は物流業界が平均15.7人で飲食業界(平均3.4人)と比較して4倍以上

一拠点あたりで1日に雇用する人数を質問したところ、物流業界が平均15.7人で、飲食業界(平均3.4人)と比較して4倍以上の人数を雇用しており、倉庫で一斉作業をするため一度にたくさんの人手が必要なことが分かりました。

非正規雇用における就業形態の内訳を見ると、物流・小売業界では2割近くがスキマバイト。小売業界では10割スキマバイトで回している店舗も

回答者が勤めている店舗における非正規雇用社員の就業契約の内訳について、「契約・派遣社員」「パート・アルバイト」「スキマバイト」の割合を質問したところ、スキマバイト比率は物流業界と小売業界では平均1.8割、飲食業界では平均1.4 割という結果となりました。また小売業界では、スキマバイトが10割であると回答した店舗もありました。

スキマバイトの方が働きやすいように工夫していることについて、物流業界は「マニュアルを用意している(43.0%)」が最多、飲食業界は「なじみやすい雰囲気づくりをしている(48.0%)」が最多

スキマバイトの働き手が働きやすいように工夫していることについて質問すると、物流業界は「マニュアルを用意している(43.0%)」が最多で他業界より10pt程度高い結果となりました。前述の質問にもあった通り、物流業界は1回あたりのスキマバイト雇用人数が多いことから、マニュアルによる効率化が重要だとの声が挙がっています。飲食業界では「なじみやすい雰囲気づくりをしている(48.0%)」が7pt程度高い結果になりました。

 

物流・飲食・小売業界の「メルカリ ハロ」活用実態

「メルカリ ハロ」でも「物流・倉庫」「販売・接客・サービス」「飲食・フード」の募集数がTOP3に

「メルカリ ハロ」の直近半年間の求人募集数を調べたところ、「物流・倉庫」「販売・接客・サービス」「飲食・フード」がトップ3にランクインしており、スキマバイトニーズの高さが伺えます。

「メルカリ ハロ」での初勤務は約8割(78.0%)が「物流・倉庫」「販売・接客・サービス」「飲食・フード」のいずれか

「メルカリ ハロ」登録後に初めてスキマバイト勤務した業種について調べてみると、約8割(78.0%)が「物流・倉庫」「販売・接客・サービス」「飲食・フード」のいずれかで勤務していることが分かりました。事業者の人手不足課題と働き手にとっての働きやすさのニーズがマッチしていると考えられます。

「想定より幅広い世代の人が来て採用の間口が広がった」「メルカリ ハロでスキマバイトした人がそのまま買い物してくれることが増えた」といった声も

「メルカリ ハロ」を利用する物流・飲食・小売事業者に行ったヒアリングでは「想定より幅広い世代の人が来て採用の間口が広がった」という声が挙がっており、幅広い世代の「メルカリ」利用者が業界にとっての潜在的な働き手になることで、これまで繋がりのなかった働き手との出会いが生まれています。また、「メルカリ ハロで働いたクルーが店舗でよく買い物をしてくれるようになった」という声も挙がっており、受け取った給与を即座に「メルペイ」にチャージできる機能もあり、スキマバイト後にお客さまとしてお店で買い物をする事例も出てきていることが分かりました。

「メルカリ ハロ」を利用する物流・飲食・小売事業者の声

[物流業界]
・「メルカリ ハロ」は思ったより幅広い年齢層の人が来るので、人材採用の間口が広がって良い
・午前や夕方16時ごろまでの枠で主婦の方が多くマッチングされる

[飲食業界]
・レギュラーバイトの店舗間のヘルプは、「メルカリ ハロ」の限定公開を通じて行なっている
・TVに取り上げられて一時的に注文が増え、レギュラーバイトで回らないときがあったが、すぐにマッチングしたので助かった

[小売業界]
・「メルカリ ハロ」で働いたクルーが店舗でよく買い物をしてくれるようになった
・「メルカリ ハロ」を利用してから店舗社員の残業時間が減った

メルカリは今後も「メルカリ ハロ」を通じて、「働く」をより気軽なものにすることで、パートナーの人手不足解消を後押しすると共に、クルーの皆さんの好きなことや、やりたいことの実現の後押しをしてまいります。