2023.5.19
お知らせ

<メルカリ物価・数量指数からわかる4月トレンド通信>行動制限緩和などの影響で「帽子」需要が増加か

〜「帽子(レディース)」のメルカリ物価・数量指数が高水準で推移。値上げが続く「飲料/酒(その他)」では数量指数は上昇傾向、物価指数は下降傾向に〜

メルカリ総合研究所より、「メルカリ物価・数量指数からわかる4月トレンド」をご紹介いたします。

「メルカリ物価・数量指数」について

「メルカリ物価・数量指数」は、月間利用者数2,100万人超のフリマアプリ「メルカリ」を活用し、「メルカリ」内の取引価格と流通数量の変動状況を、「メルカリ」における商品カテゴリー毎に月単位で表す価格指数・数量指数です。個人間商取引における消費者の需要を可視化していく世界初※1の取り組みです。各種データを参照した消費トレンドを発信している報道関係者をはじめ、物価変動を取り扱うマクロ経済学、消費者行動、マーケティング等の研究者に情報を開示し、経済・研究活動に寄与することを目的としています。

本ニュースレターでは、「メルカリ」の“中カテゴリー”に限定し、前年同月比で物価および数量指数が上昇、または下落した商品カテゴリーを紹介しています。

※1:メルカリおよびUTEcon調べ。基準年月を2018年1月から2020年1月に今回より改訂しています。

4月のポイント

1.「帽子(レディース)」の物価・数量ともに上昇、物価指数は昨年同月比1.2倍で過去最高に
2.値上げが続く「飲料/酒(その他)」では数量指数は上昇傾向、物価指数は下降傾向に

2023年4月、物価指数が上昇・下落した商品カテゴリーTOP5(前年同月比)

<ピックアップ>「帽子(レディース)」の物価・数量指数がともに上昇基調。物価指数は昨年同月比約1.2倍で過去最高の数値に

2020年1月から約1年間、「帽子(レディース)」の物価指数は基準値からほぼ横ばいで推移していました。2021年4月以降、物価指数は徐々に上昇していき、2023年4月時点で過去最高の数値となっています。数量指数も、2021年10月以降は上昇基調で、「メルカリ」上でも活発な取引が継続していることがわかります。

<ピックアップ>値上げが続く「飲料/酒(その他)」では数量指数は上昇傾向、物価指数は下降傾向に

「飲料/酒(その他)」カテゴリーの数量指数は2021年5月をピークに下降傾向が続いていましたが、2022年4月を起点に徐々に上昇基調となってきています。一方、物価指数では2021年5月をピークに下降傾向が続いています。

コメント


株式会社メルカリメルカリ総合研究所研究委員 志和あかね
「帽子(レディース)」の数量指数は、緊急事態宣言や「Go To トラベル」期間中の自治体別の外出自粛呼びかけなどの影響を受けて大きく変動をしていました。2021年10月以降は緊急事態宣言がなく、変動は緩やかになり、上昇基調となっています。物価指数も、数量指数に合わせるように上昇基調です。ランキング外ではありますが、「帽子(メンズ)」の物価指数も前年同月比115.0%となっています。
これらのことから、行動制限の緩和に伴い、男女ともに「帽子」の利用シーンが増えていることがうかがえます。
※「緊急事態宣言」に関しては、対象地域を分けずに、感染症対策が適用されていた全体の期間をグラフに記載しています。

「メルカリ」上で取引された「帽子(レディース)」商品 ※一部

また「飲料/酒(その他)」では、物価指数・数量指数ともに、2021年5月をピークに下降傾向が続いていましたが、2022年4月を起点に数量指数は上昇基調へと転じました。2022年以降、ウイスキー、ビール、お茶など様々な飲料の値上げが相次いでおり、2023年5月にも缶コーヒーなどが値上げされました。
一方で、5月から最高気温は30℃以上の真夏日が続出するなど、今年の夏の気温は平年並か高いと予想されており、水分補給に欠かせない飲料の需要は増加していくことが考えられます。値上げの影響と飲料需要の増加が、下降傾向が続く物価指数にどのように反映されるか、今後の動向を注視していきたいと思います。

「メルカリ」上で取引された「飲料/お酒(その他)」商品 ※一部