2022.8.16
プレスリリース

「2022年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査

「中古品への抵抗がない」53.0%、前回調査比+5.9ptでコロナ前水準に戻る 物価上昇の実感、節約意識の向上は共に85%以上
利用者の30.4%が中古品購入で節約対策、非利用者と比べて21.1pt高い傾向

メルカリ総合研究所(運営:株式会社メルカリ)は、全国のフリマアプリ利用者と非利用者1,000名を対象に、「2022年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査を実施いたしました。

前回2020年9月に実施した「2020年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査では、新型コロナウイルス感染症が拡大していた時期と重なったこともあり、中古品を購入・使用することに対する抵抗感が2019年調査比で8.4pt上昇するなど、感染予防対策の観点から中古品を避ける傾向を示唆する結果が得られました。

一方で、2022年8月12日に経済産業省が発表した「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」※1によると、2021年の個人間EC(CtoC-EC)推定市場規模は2兆2,121億円となり、前年比12.9%上昇、同調査開始以来、初めて2兆円を超え、継続的に市場が成長していることがわかりました。また、昨今の物価上昇など、生活意識・消費行動に大きな影響を及ぼしうる社会状況が生まれています。

このような状況をふまえ、前回調査から2年を経て、消費者の意識にどのような変化が生まれているのかを明らかにすべく、「2022年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査を実施しました。

※1:経済産業省「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」(2022年8月)https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html

【結果サマリー】

1) 第3回調査(2020年)、第2回調査(2019年)との比較

  • 商品購入時に重視すること、前回(第3回)調査比 上昇率1位「信頼性」(+2.6pt)
    下落率1位は「新品であること」(-4.2pt)
  • モノ・消費に対する意識変化、前回調査比 上昇率1位「一時的に必要なモノは中古品がいい」(+5.3pt)、利用者2.2pt、非利用者8.4pt上昇
    下落率1位「まだ使えるが不要になったモノは保管しておく」(-7.0pt)
  • 53.0%が中古品の購入・使用に抵抗がないと回答、前回調査比+5.9pt
    利用者3.8pt、非利用者8.0pt上昇
    抵抗がない割合は、コロナ前の水準に戻る傾向
  • 30.2%がここ2~3年間での中古品購入が増加したと回答
    中古品での購入が増えた商品は「洋服・靴・カバン」が最多

2) フリマアプリ利用者・非利用者比較 直近1年間における消費行動の変化

  • 利用者の40.6%が、消費に対する“こだわり”が強くなったと回答
    非利用者と比較すると21.4pt差
  • 利用者の“こだわり”ポイントTOP3、1位「価格」2位「品質」3位「機能」
    非利用者と比較して”こだわり”が強いポイントTOP3、1位「リセールバリュー」2位「デザイン」「ブランドイメージ」
  • 利用者が“こだわる”ようになった消費TOP3、1位「ファッション」2位「精肉、肉加工品」3位「青果」

3) 物価上昇に関する調査結果

  • 86.3%が物価上昇を実感、85.9%が節約意識が高まっていると回答
  • 節約のために行っていること1位「クーポン・ポイント利用」
    フリマアプリ利用者・非利用者間で最も差が大きい項目は「新品ではなく中古品を購入する」(21.1pt差)

調査結果詳細

1) 第3回調査(2020年)、第2回調査(2019年)との比較

商品購入時に重視すること、前回(第3回)調査比 上昇率1位「信頼性」(+2.6pt)
下落率1位は「新品であること」(-4.2 pt)

フリマアプリ利用者・非利用者に、商品購入で重視することについて質問をしたところ、前回調査との比較で最も上昇した項目は「信頼性」(+ 2.6pt)となりました。また、最も下落した項目は「新品であること」(-4.2pt)となりました。消費者のサステナビリティやエシカル消費への興味関心の高まりにより、新品であることにこだわらず、中古品をリユースする消費行動が広がりを見せていることが推察されます。

モノ・消費に対する意識変化、前回調査比 上昇率1位「一時的に必要なモノは中古品がいい」(+5.3pt)、利用者2.2pt、非利用者8.4 pt上昇
下落率1位「まだ使えるが不要になったモノは保管しておく」(-7.0pt)

フリマアプリ利用者・非利用者に、モノや消費に対する意識について質問をしたところ、前回調査との比較で最も上昇した項目は「一時的に必要なモノは中古品がいい」(+ 5.3pt)となりました。フリマアプリの利用者・非利用者別にみると、利用者では2.2pt、非利用者では8.4ptの上昇となり、非利用者の上昇率が高いことがわかりました。また、最も下落した項目は「まだ使えるが不要になったモノは保管しておく」(-7.0pt)となりました。フリマアプリ利用者・非利用者ともに、新品・中古にこだわらず、個人のニーズにあったモノを手に入れ、消費した後は保管せずに別の消費者に販売する、譲るといった消費スタイルの広がりが見られます。

53.0%が中古品の購入・使用に抵抗がないと回答、前回調査比+5.9pt
利用者3.8pt、非利用者8.0pt上昇
抵抗がない割合は、コロナ前の水準に戻る傾向

フリマアプリ利用者・非利用者に、中古品の購入・使用への抵抗感について質問をしたところ、53.0%が「中古品の購入・使用に抵抗がない」と回答し、前回調査から5.9pt上昇しました。フリマアプリの利用者・非利用者別にみると、利用者では3.8pt、非利用者では8.0ptの上昇となり、非利用者の上昇率が高いことがわかりました。

また、2019年の新型コロナウイルス感染症拡大前に行った第2回調査では55.5%、2020年のコロナ禍に行った第3回調査では47.1%となり、コロナ禍により中古品の購入・使用に抵抗を感じる割合が増えていましたが、今回の調査では新型コロナウイルス感染症拡大前の水準に戻る傾向にあることがわかりました。前回調査時は、新型コロナウイルス感染症の流行初期だったことも起因し、中古品への抵抗感が高まっていましたが、ワクチン接種の普及や、ウイルスに関する知識、感染予防の知識が広がることで、中古品への抵抗感が弱まったことが考えられます。

30.2%がここ2~3年間での中古品購入が増加したと回答
中古品での購入が増えた商品は「洋服・靴・カバン」が最多

フリマアプリ利用者・非利用者に、過去2〜3年間で中古品の購入機会が増えたか質問をしたところ、30.2%が「中古品の購入機会が増えた」と回答しました。

さらに、中古品として購入する機会が増えたモノについて質問をしたところ、「洋服・靴・カバン」(45.7%)が最多の回答となりました。引き続き新型コロナウイルス感染症は拡大傾向にありますが、中古品への抵抗感が減少しているのと同様に、2020年と比較するとワクチン接種の普及や感染予防の知識が広がった上に、行動制限がなくなるなどの影響で外出する機会が増え、”リベンジ消費”が中古市場にも起きていると推察されます。実際に「メルカリ」でも2020年4月の緊急事態宣言を受けて、エンタメ・ホビーなどインドア向けカテゴリーの取引が大きく伸長し、アパレル系の取引が縮小しましたが、2022年1-3月ではアパレルの需要が回帰傾向にあります。※2


※2:2022年6月期 第3四半期決算発表より

2) フリマアプリ利用者・非利用者比較 直近1年間における消費行動の変化

利用者の40.6%が、消費に対する“こだわり”が強くなったと回答
非利用者と比較すると21.4pt差

フリマアプリ利用者・非利用者に、直近1年間で、購入・消費するモノに対してこだわるようになったと思うか質問をしたところ、フリマアプリ利用者では40.6%が「こだわりが強くなった」と回答しました。フリマアプリ非利用者では19.2%となっており、フリマアプリ利用者と比較すると21.4ptの差があることがわかりました。

利用者の“こだわり”ポイントTOP3、1位「価格」2位「品質」3位「機能」
非利用者と比較して”こだわり”が強いポイントTOP3、1位「リセールバリュー」2位「デザイン」「ブランドイメージ」

直近1年間で、購入・消費するモノに対してこだわるようになったと回答した人に、具体的にどのようなこだわりを持つようになったか質問をしたところ、フリマアプリ利用者の最も多い回答は「価格」、次に「品質」、「機能」となりました。また、フリマアプリ非利用者と比較すると、差が最も大きい”こだわり”ポイントは、「リセールバリュー」、次に「デザイン」、「ブランドイメージ」となりました。物価上昇などの影響もあり、フリマアプリ利用者は売ることを前提に、売れるデザインやブランドの商品購入にこだわりを持つ傾向が伺えます。

利用者が“こだわる”ようになった消費TOP3、1位「ファッション」2位「精肉、肉加工品」3位「青果」
直近1年間で、購入・消費するモノに対してこだわるようになったと回答した人に、具体的にこだわりを持って購入・消費するようになったモノについて質問をしたところ、フリマアプリ利用者の最も多い回答は「ファッション」、次に「精肉、肉加工品」、「青果」となりました。生活に身近な衣食住にまつわるカテゴリがこだわりの対象になっており、物価上昇が進む中、食について価格や品質にこだわる消費が増すことが推察されます。

3) 物価上昇に関する調査結果

86.3%が物価上昇を実感、85.9%が節約意識が高まっていると回答
フリマアプリ利用者・非利用者に、1年前と比べて物価が上昇していると感じるか質問をしたところ、86.3%が「物価が上昇していると感じる」と回答しました。

さらに、「物価が上昇していると感じる」と回答した人に対し、節約意識の変化について質問したところ、85.9%が「節約意識が高まっている」と回答しました。

節約のために行っていること1位「クーポン・ポイント利用」
フリマアプリ利用者・非利用者間で最も差が大きい項目は「新品ではなく中古品を購入する」

節約意識が高まっていると回答した人に、具体的に行っている節約に関する行動について質問をしたところ、最も多い回答は「クーポン・ポイント利用」(74.5%)となりました。また、フリマアプリ利用者と非利用者の間で最も差が大きい項目は「新品ではなく中古品を購入する」(21.1pt差)」となり、中古品購入により節約をする傾向がわかりました。

■調査概要
時期 :2022年6月27日(月)~2022年6月28日(火)
方法 :インターネット調査
対象 :全国、20〜69歳、男女1,000名
(フリマアプリ利用者500名、フリマアプリ非利用者500名)
※グラフ内の数値は小数点第二位以下四捨五入

■「フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査について
メルカリ総合研究所では、これまで4回にわたり「フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査を実施してまいりました。過去3回の調査結果につきましては、下記のURLをご参照ください。
・2018年(https://about.mercari.com/press/news/articles/20180406_consumersurvey/
・2019年(https://about.mercari.com/press/news/articles/20190425_consumersurvey/
・2020年(https://about.mercari.com/press/news/articles/20200928_consumersurvey/