2019.11.7
プレスリリース

メルカリ、外部有識者と二次流通に関する研究を行う 「メルカリ総合研究所」を設立

共同研究パートナー 東京大学大学院 近藤尚己准教授とフリマアプリ活用による「シニアのコミュニティ参加および活性化による健康促進効果の検証」に関する研究を開始

株式会社メルカリ(以下、メルカリ)は、フリマアプリが社会や消費行動に与える影響や二次流通市場の可能性について調査・研究を行う新組織「メルカリ総合研究所」を設立いたしました。

■設立背景
これまでメルカリでは、各種調査を通じて、フリマアプリによる消費行動の変化、新たな消費スタイルの誕生、生活者の意識変化などを明らかにし、消費者や企業に新たな発見をもたらすための活動を行ってまいりました。

2019年5月に経済産業省がまとめた「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、2018年度のフリマアプリ市場規模は6,392億円で、同調査が開始された2016年度と比較し約2倍の成長を遂げており、今後も市場拡大に伴う消費行動や意識の変化はさらに多様化し、そのスピードはより加速していくことが考えられます。

そこでメルカリでは、様々な専門性をもつ外部有識者と共に、さらなる調査・研究を行うことにより、二次流通市場の可能性を追求し、より豊かな社会の実現に資する活動を促進していくことを目的に、メルカリ総合研究所を設立いたします。

出典:「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」(経済産業省)https://www.meti.go.jp/press/2019/05/20190516002/20190516002.html

■メルカリ総合研究所概要
メルカリ総合研究所は、外部有識者と共に、フリマアプリの社会的影響から二次流通市場の可能性、その先にある循環型社会が未来にどのような影響をもたらすかを研究する組織です。
社会・次世代消費・生活など、様々な視点から研究を行い、生活者の意識や行動の変化はもちろんのこと、次世代の「豊かさ」について新たな視点を見出していくための活動を行ってまいります。

■メルカリ総合研究所のミッション
「二次流通市場を起点とした、豊かな社会の可能性を追求する」

■主な研究テーマ
1.社会
社会課題の解決に対し、フリマアプリ・二次流通市場が寄与する可能性を探求し、循環型社会の未来について考察を深める研究を行います。

2.次世代消費
フリマアプリ・二次流通市場が経済や消費にもたらす変化を探求し、消費者インサイトを明らかにしていくことで、今後の企業・団体の活動などに新たな発見を提示する研究を行います。

3.生活
フリマアプリ・二次流通市場が市井の生活にもたらした変化や、生活者にとっての今後の可能性について考察を深める研究を行います。

■共同研究パートナー
東京大学大学院医学系研究科 保健社会行動学分野
健康教育・社会学分野 准教授 医師・博士(医学)
日本老年学的評価研究機構(JAGES機構)理事
近藤 尚己(こんどう なおき)

2000年山梨医科大学医学部医学科卒業。卒後医師臨床研修後、山梨医科大学助教・同講師・ハーバード大学フェローなどを経て、現職。誰もが健康でいられるための社会の条件や健康格差を是正する取り組みの開発をテーマに、大規模な追跡調査等による検証を進めている。日本老年学的評価研究(JAGES)プロジェクト・サブリーダー。近著:「健康格差対策の進め方:効果をもたらす5つの視点」(医学書院)、「社会疫学<上・下>(監訳)大修館、「社会と健康:健康格差解消のための統合科学的アプローチ」(東大出版会)(共同編著)Global Perspectives on Social Capital and Health (邦訳:ソーシャル・キャピタルと健康政策:地域で活用するために)など。

慶應義塾大学大学院経営管理研究科
准教授
山本 晶 (やまもと ひかる)

1996年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。外資系広告代理店勤務を経て、2001年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。2004年同大学院博士課程修了。博士(経済学)。東京大学大学院助手、成蹊大学経済学部専任講師および准教授を経て、2014年4月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授。専門はマーケティングで、主に対人影響の研究に従事。日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、日本マーケティング学会(常任理事)、日本商業学会、INFORMS、AMAの各会員。主著に『キーパーソン・マーケティング: なぜ、あの人のクチコミは影響力があるのか』(東洋経済新報社、2014年)。

■「メルカリ総合研究所」共同研究パートナー募集について
「メルカリ総合研究所」では、フリマアプリが与える社会的影響や二次流通市場の可能性などを一緒に研究してくださる学術機関・企業・自治体・団体などの共同研究パートナーを募集しております。

詳細については、こちらをご覧ください。
https://pj.mercari.com/souken/

■メルカリ総合研究所 近藤 尚己准教授との共同研究テーマ
フリマアプリ×パブリックヘルス
フリマアプリ活用による「シニアのコミュニティ参加および活性化による健康促進効果の検証」

本研究では、超高齢化社会に突入する日本の社会課題の一つ「シニアの孤独」に着目。「孤独」はシニアの健康に悪影響をもたらすことがわかっており、これらを解消するためには、「家族」「仕事」「趣味」「地域」など最低4つ以上のコミュニティに所属することが重要であるとされています。
今回、オンラインのコミュニケーションやオフラインの梱包・配送など、様々な活動を促す特性を持つフリマアプリが、「売買」をベースとしたコミュニティ参加を促す環境をつくり出すことで、シニアの活性化、健康促進へどのような影響をもたらすのかをパブリックヘルスの観点から検証する研究を行います。

この度、共同研究を行う近藤尚己准教授より以下のコメントをいただいております。

年齢を重ねると、退職や健康上の理由で社会とのつながりを失いがちになります。社会とのつながりを失うことは健康をむしばむ強い要因で、その影響はたばこに匹敵するという研究結果があります。厚生労働省も、地域での交流サロンなど高齢者の「通いの場」づくりを進め、つながりを保つことで介護予防につなげようとしています。フリマアプリは、高齢者に新しいコミュニティへの参加のしかたを提案する新しいプラットフォームになる可能性を秘めています。特に、従来型のサロンなどのプログラムへの参加は敬遠しがちな人にも訴求できる可能性があります。アプリを通じた新しい高齢者の社会参加のあり方を提案し、その効果の検証を目指す本プロジェクトに大いに期待しています。

メルカリでは今後も、様々な共同研究パートナーと共に、「メルカリ総合研究所」を通じて二次流通市場の可能性を研究・発信し、資源を循環させる豊かな社会の実現に努めてまいります。