メルカリ総合研究所より、「メルカリ物価・数量指数からわかる10月トレンド」をご紹介いたします。
「メルカリ物価・数量指数」について
「メルカリ物価・数量指数」は、月間利用者数2,070万人超のフリマアプリ「メルカリ」を活用し、「メルカリ」内の取引価格と流通数量の変動状況を、「メルカリ」における商品カテゴリー毎に月単位で表す価格指数・数量指数です。個人間商取引における消費者の需要を可視化していく世界初※1の取り組みです。各種データを参照した消費トレンドを発信している報道関係者をはじめ、物価変動を取り扱うマクロ経済学、消費者行動、マーケティング等の研究者に情報を開示し、経済・研究活動に寄与することを目的としています。
本ニュースレターでは、「メルカリ」の“中カテゴリー”に限定し、前年同月比で物価および数量指数が上昇、または下落した商品カテゴリーを紹介しています。
※1:メルカリおよびUTEcon調べ
10月のポイント
1. 物価上昇率1位は「演劇/芸能(チケット)」 、下落率1位は「映画(チケット)」
2. 「演劇/芸能(チケット)」の物価指数はコロナ前の水準で安定傾向
2022年10月、物価指数が上昇・下落した商品カテゴリーTOP10(前年同月比)
※前年同月比 物価下落 TOP10は、100%未満のカテゴリーを掲載しています
<ピックアップ>「演劇/芸能(チケット)」 の物価指数はコロナ前の水準で安定傾向
10月のメルカリ物価指数上昇率1位は「演劇/芸能(チケット)」。10月の物価指数は「1」となり、2018年1月に設定している基準値と同水準になっています。6月に発表した「メルカリ物価・数量指数からわかる5月トレンド通信」では「コロナ前の水準に戻りつつある」として取り上げましたが、8月には基準値を超え、9月に一度基準値以下に下がり、10月には戻るという推移を見せており、コロナ前の水準で安定しつつある傾向がみてとれます。
※:メルカリ物価・数量指数からわかる5月トレンド通信(https://about.mercari.com/press/news/articles/20220624_mercaripriceindex/)
※:2022年6月10日より、電子チケットや電子クーポン、QRコードなどの電子データ、ダウンロードコンテンツやデジタルコンテンツなどの電子データの出品を禁止しています
(https://jp-news.mercari.com/articles/2022/06/03/notice-about-listing-2/)
電子チケットなどはチケット類の中でも一部の取引であり、チケット類の本物価上昇への影響は軽微。
※:メルカリは定価を上回る価格での販売を禁止し取り締まっている(https://help.jp.mercari.com/guide/articles/888/)ため、本物価上昇への影響は軽微。
コメント
株式会社メルカリメルカリ総合研究所研究委員 志和あかね
「メルカリ」内で「演劇/芸能(チケット)」カテゴリーを見ると、行けなくなった落語、サーカス、演劇のチケットなどが取引されています。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、上記のような、外出を伴うエンターテイメントにふれる機会が著しく減少しました。メルカリ物価・数量指数の推移からもその傾向は見てとれます。
今後の物価指数の推移を見守る必要がある前提にはなりますが、現在は2018年1月の基準値で安定傾向にあることから、落語、サーカス、演劇などのエンターテイメントに対する需要がコロナ前の水準に戻ってきていることが考えられます。