〜機械学習による違反商品検知〜
株式会社メルカリ(以下、メルカリ)は、当社のAIエンジニアによる論文「Auto Content Moderation in C2C e-Commerce」(邦題:CtoCマーケットプレイスにおける機械学習による違反商品検知)が、2020年7月から8月にかけて開催される国際会議「2020 USENIX Conference on Operational Machine Learning (OpML’20)」にて採択されたことをお知らせいたします。
OpMLを主催するUSENIX協会は、約45年の歴史と権威がある団体で、いくつかの研究会から構成されています。OpMLは2019年より開催されている研究会で、機械学習を実世界で運用する際の課題と解決策がテーマになっています。近年、機械学習が研究領域分野だけでなく、さまざまな商用サービスで実運用されているなかで注目分野となっています。
第2回目となる2020年の会議は、オンラインで7月27日から8月7日まで開催されます。
■研究背景
メルカリでは、安心・安全な取引環境の実現のために、2017年より機械学習による利用規約違反の商品・取引を自動検知する監視システムを導入し、さらにカスタマーサービスによる目視により出品や取引を常時監視することで、偽装品や盗品、その他の出品禁止物の排除に努めています。
本研究は、機械学習による違反商品検知システムを導入してから約2年間の改善の取り組みを研究成果としてまとめたものとなります。
■研究概要
今回採択された論文「Auto Content Moderation in C2C e-Commerce」では、マルチモーダルモデルを用いた予測精度の向上、効率的に機械学習モデルの更新をするためのオフライン・オンラインの評価方法の提案、機械学習システムによる規約違反商品の監視範囲拡大の結果を報告しています。
結論として、「メルカリ」では機械学習による規約違反商品検知システムの導入により、導入前と比較して、カスタマーサービスの目視だけでは発見が不可能だった規約違反商品を従来から約5.5倍検知することが可能になりました。
本研究成果は、当社のAIエンジニアである上田隼也(Shunya Ueta)、ナーガラージャン スガンプラブ(Suganprabu Nagarajan)、珊瑚彩主紀(Mizuki Sango)の3名で執筆し、査読付き論文として採択されました。
論文や発表資料は下記にて公開されています。
https://www.usenix.org/conference/opml20/presentation/ueta
メルカリは今後もこの研究成果を通じて、より安心・安全なサービスを提供し、ミッションである新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスの実現を目指します。