〜人文社会科学の視点からあらゆる価値が循環する社会の実現へ貢献〜
株式会社メルカリ(以下、メルカリ)と国立大学法人大阪大学(以下、大阪大学)は、大阪大学社会技術共創研究センター(以下、大阪大学ELSIセンター)に「メルカリR4Dラボ・大阪大学協働研究所」(以下、本研究所)を2025年7月1日に設立することを決定いたしましたので、お知らせいたします。本研究所では、あらゆる価値が循環する社会の実現へ貢献することを目指し、人文社会科学の多様な視点からメルカリをフィールドワークの場として、企業活動から導かれる様々なテーマを対象にした研究を行います。
昨今、生成AI・LLMに代表される新たな科学技術の台頭・劇的な進歩が社会にもたらす影響の予測不可能性は拡大し続けています。これに伴い、社会実装の段階においても、技術的な観点のみならず、社会実装後に予期される課題やインパクトについて、倫理学や法学、社会学、哲学といった人文社会科学の多様な視点を織り交ぜながら、企業側が責任を持って企業活動やサービス開発を検証していくことの重要性が高まっています。
メルカリの研究開発組織 「mercari R4D(アールフォーディー)」は、2020年より大阪大学ELSIセンターと、研究活動や企業活動を対象としたELSI(ELSI:Ethical, Legal and Social Issues:倫理的、法的、社会的課題)に関する共同研究を進めており※1、メルカリにおける研究開発倫理審査の高度化※2や、AI倫理※3、男女間賃金格差是正の取り組みに関するケーススタディ※4など、人文社会科学分野の研究開発を行ってきました。
この度、「メルカリR4Dラボ・大阪大学協働研究所」では、これまでの研究をさらに発展させ、人文社会科学の知見を通じて、メルカリのミッションでもある「あらゆる価値が循環する社会」への道筋を描くことを目指します。また、メルカリをフィールドワークの場として、企業活動から導かれる様々なテーマを対象にした研究を行い、得られた知見を学術的な成果として広く社会へ還元していきます。
■「メルカリR4Dラボ・大阪大学協働研究所」設立趣旨
- ビジョン
- 「人文社会科学の知見を通じて、あらゆる価値が循環する社会への道を示す」
- 研究内容(例)
- 価値循環社会に関する基盤研究
- 価値や循環、価値循環に関する根源的な問いと概念の再構築
- 価値循環学の構築
- 企業活動における実践研究
- 研究倫理審査の高度化や新規科学技術・サービスのELSI、研修・教育プログラムの作成など
- 研究成果を通した社会的インパクトの実現
- アウトリーチ活動の実践、およびアウトリーチ活動自体の研究
- 産学連携や企業研究所のあり方の研究
- 大阪大学内の連携、さらには他大学や他企業、自治体等へと射程を広げた研究パートナーの開拓と拡大
- 価値循環社会に関する基盤研究
■「メルカリR4Dラボ・大阪大学協働研究所」概要
- 名称:メルカリR4Dラボ・大阪大学協働研究所
- 所在地:大阪府吹田市山田丘2-8(大阪大学吹田キャンパス内)
- 所長:岸本 充生(大阪大学社会技術共創研究センター 教授)
- 副所長:多湖 真琴(株式会社メルカリ mercari R4D Director/大阪大学社会技術共創研究センター 招へい教員(予定))、赤坂 亮太(大阪大学社会技術共創研究センター 准教授)
メルカリは、「メルカリR4Dラボ・大阪大学協働研究所」を通じて、理論と実践の双方を見据えながら、メルカリの企業活動が社会や環境にもたらすインパクトを学術的な成果として還元し、人文社会科学を基盤とした新たな企業スタンダードの確立とあらゆる価値が循環する社会の実現を目指してまいります。
※1:メルカリと大阪大学ELSIセンターが共同研究を開始
https://about.mercari.com/press/news/articles/20201218_elsi/
※2:メルカリ、大阪大学ELSIセンターとの共同研究に基づき策定した独自の研究開発倫理指針を公開
https://about.mercari.com/press/news/articles/20210630_elsi/
※3:mercari R4DのELSI研究成果、「LLMを用いたプロダクト開発をスピーディーに行うためのガイドライン」を一般公開
https://r4d.mercari.com/news/LLM-guideline/
※4:ELSI NOTE「人事データ分析を利用した男女間賃金格差是正の取組み:株式会社メルカリにおけるケーススタディ」が公開 | mercari R4D
https://r4d.mercari.com/news/240202_ELSInote_genderpaygap/