ポストコロナ、消費やモノに対する意識に変化
不要品を「売る」意向、フリマアプリ利用者は昨対比+4.2%、非利用者は+4.0%
「中古品の購入・使用への抵抗感」は昨対比+8.4%
メルカリ総合研究所(運営:株式会社メルカリ)は、全国のフリマアプリ利用者と非利用者、緊急事態宣言中(2020年4月〜5月)にフリマアプリ利用を始めた方、合わせて1,463名を対象に「2020年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査を実施しました。
2020年7月に経済産業省が発表した「電子商取引に関する市場調査」※1によると、CtoC取引市場の規模は約1兆7,407億円(前年比+9.5%)と推計されており、この市場規模拡大にはフリマアプリの成長が寄与していると述べられています。
一方、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大を受け、緊急事態宣言の発出や「新しい生活様式」の実践例が公表されるなど、消費者の意識・行動に多大な変化をもたらしうる事象が発生しています。
3度目となる「2020年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査では、二次流通市場の興隆や新型コロナウイルス感染症拡大にともなう様々な経験が、消費者意識や行動にどのような変化をもたらしたかを明らかにすべく、フリマアプリ利用者500名、非利用者500名、緊急事態宣言中にフリマアプリ利用を始めた方463名を対象に調査を実施しました。
※1:経済産業省「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」(2020年7月)https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/ie_outlook.html
結果サマリー
1)モノ(新品・中古品)に関する意識・行動変化
- 商品を購入する際に重視すること、昨年調査から増加した項目TOP3、1位「買い物しやすい場所であること」(+20.4%)、2位「接客態度」(+14.0%)、3位「新品であること」(+12.1%)
- 中古品の購入・使用への抵抗感、昨年調査から8.4%増加
中古品の購入機会、昨年調査から5.5%減少 - まだ使える不要品を「売る」意向、昨年調査から利用者は4.2%増加、非利用者は4.0%増加
- 自分がよいと思うモノを買う意向、昨年調査から9.8%増加。良質なモノだけを持ちたい意向、昨年調査から8.8%増加
2)緊急事態宣言中にフリマアプリ利用を始めた方の意識
- フリマアプリ利用を始めた理由TOP3、1位「不要品処分のため」、2位「家の中の整理整頓のため」、3位「掘り出し物を購入するため」
- フリマアプリ利用を始めた54.0%が「売る時のことを考えて、モノを大切に扱うようになった」と回答
- フリマアプリ利用を始めた20代の31.0%が「フリマアプリで定期的に稼げるようになって、バイト(パート)の時間を減らすことができた」と回答
- フリマアプリ利用を始めた方の意識変化TOP3、1位「節約意識が高まった」、2位「身の回りの売れそうなモノを探すようになった」、3位「リサイクルを意識するようになった」
- フリマアプリ利用を始めた方の継続利用意向、79.9%が「利用を継続したい」
調査概要
調査時期:2020年8月12日(水)~14日(金)
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国、20〜69歳、男女1,463名
(フリマアプリ利用者500名、フリマアプリ非利用者500名、緊急事態宣言中にフリマアプリ利用を開始した人463名)
※グラフ内の数値は小数点第二位以下四捨五入
調査結果詳細
1)モノ(新品・中古品)に関する意識・行動変化
商品を購入する際に重視すること、昨年調査から増加した項目TOP3、1位「買い物しやすい場所であること」(+20.4%)、2位「接客態度」(+14.0%)、3位「新品であること」(+12.1%)
フリマアプリ利用者・非利用者に、商品購入で重視することについて質問をしたところ、最も多い回答は、昨年調査と同じく「価格」(89.3%)となりました。また、昨年調査との比較で最も増加した項目は「買い物しやすい場所であること」(+20.4%)、次に「接客態度」(+14.0%)、「新品であること」(+12.1%)となりました。
中古品の購入・使用への抵抗感、昨年調査から8.4%増加
中古品の購入機会、昨年調査から5.5%減少
フリマアプリ利用者・非利用者に、中古品の購入・使用への抵抗感について質問をしたところ、52.9%が中古品の購入・使用に抵抗を感じると回答しました。昨年調査では44.5%であったことから、約1年で中古品の購入・使用への抵抗感は8.4%増加したことがわかりました。
さらに、過去2〜3年間で中古品の購入機会が増えたか質問をしたところ、32.0%が中古品の購入機会が増えたと回答しました。昨年調査では37.5%であったことから、約1年で中古品の購入機会は5.5%減少したことがわかりました。
まだ使える不要品を「売る」意向、昨年調査から利用者は4.2%増加、非利用者は4.0%増加
フリマアプリ利用者に、まだ使える不要品の扱いについて質問したところ、79.8%が『まだ使える不要品は「売る」』と回答しました。昨年調査では75.6%であったことから、約1年で、まだ使える不要品を「売る」意向は4.2%増加したことがわかりました。
また、フリマアプリ非利用者では、45.0%が『まだ使える不要品は「売る」』と回答しました。昨年調査では41.0%であったことから、約1年で、まだ使える不要品を「売る」意向は4.0%増加したことがわかりました。
自分がよいと思うモノを買う意向、昨年調査から9.8%増加。良質なモノだけを持ちたい意向、昨年調査から8.8%増加
フリマアプリ利用者・非利用者に、モノや消費に対する意識について質問したところ、86.0%が「他人からどう思われても自分がよいと思うモノを買いたい」と回答しました。昨年調査では76.2%であったことから、約1年で「他人からどう思われても自分がよいと思うモノを買いたい」意識は9.8%増加したことがわかりました。
また、モノや消費に対する意識について質問したところ、76.4%が「良質なモノだけを持ちたい」と回答しました。昨年調査では67.6%であったことから、約1年で「良質なモノだけを持ちたい」意識は8.8%増加したことがわかりました。
2)緊急事態宣言中にフリマアプリ利用を始めた方の意識
フリマアプリ利用開始理由TOP3、1位「不要品処分のため」、2位「家の中の整理整頓のため」、3位「掘り出し物を購入するため」
緊急事態宣言期間中にフリマアプリの利用を開始した方に、フリマアプリ利用開始の理由を質問したところ、最も多い回答は「不要品処分のため」(47.3%)、次に「家の中の整理整頓のため」(41.9%)、「掘り出し物を購入するため」(26.1%)となりました。
フリマアプリ利用を始めた方の54.0%が「売る時のことを考えて、モノを大切に扱うようになった」と回答
緊急事態宣言中にフリマアプリの利用を開始した方に、フリマアプリ利用に伴う経験や意識変化について質問をしたところ、54.0%が「売る時のことを考えて、モノを大切に扱うようになった」と回答しました。
「売る時のことを考えて、モノを大切に扱うようになった」意識を年代別に見ると、20代から30代は61.0%、40代から60代は48.7%となり、20代から30代の方が12.3%高いことがわかりました。
フリマアプリ利用を始めた20代の31.0%が「フリマアプリで定期的に稼げるようになって、バイト(パート)の時間を減らすことができた」と回答
緊急事態宣言中にフリマアプリの利用を開始した方に、フリマアプリ利用に伴う経験や意識変化について質問をしたところ、フリマアプリの利用を開始した20代の31.0%が「フリマアプリで定期的に稼げるようになって、バイト(パート)の時間を減らすことができた」と回答しました。
フリマアプリ利用を始めた方の意識変化TOP3、1位「節約意識が高まった」、2位「身の回りの売れそうなモノを探すようになった」、3位「リサイクルを意識するようになった」
緊急事態宣言中にフリマアプリの利用を開始した方に、フリマアプリ利用開始後の意識変化について質問をしたところ、最も多い回答は「節約意識が高まった」(59.8%)、次に「身の回りの売れそうなモノを探すようになった」(51.6%)、「リサイクルを意識するようになった」(51.0%)となりました。
フリマアプリ利用を始めた方の継続利用意向、79.9%が「利用を継続したい」
緊急事態宣言中にフリマアプリの利用を開始した方に、今後のフリマアプリ利用継続意向を質問したところ、79.9%が「利用を継続したい」と回答しました。
また、「利用を継続したい」と回答した方に、具体的な利用用途を質問したところ、71.9%が「新古品の購入」で利用したい、67.8%が「中古品の販売で利用したい」と回答しました。