2024.11.27
プレスリリース

【イベントレポート】 「メルカリ グリーンフライデープロジェクト2024 〜新作ゼロのファッションフェス〜」

〜事前回収で集まった3,500点以上の衣類を再活用、3日間で延べ900名以上がサステナブルファッションを体験〜

株式会社メルカリ(以下、メルカリ)は、大規模セールのブラックフライデーと同日にサステナブルな消費を啓発する欧米発のムーブメント「グリーンフライデー※1」に合わせ、2024年11月22日(金)から11月24日(日)の3日間、服のリユース・リペア・アップサイクルを活用したサステナブルファッションの楽しみ方を提案する、「メルカリ グリーンフライデープロジェクト2024 〜新作ゼロのファッションフェス〜」を東急プラザ原宿「ハラカド」4階・「ハラッパ」にて開催いたしました。
※1:「グリーンフライデー」とは、大規模セールが行われるブラックフライデー(11月第4木曜日の翌金曜日)と同日に、モノを大切に長く使うなど、地球環境に優しい持続可能な消費を啓蒙する目的で行われている取り組みです。先行して取り組みが進む欧州では、ブラックフライデーと同時期に、不要な衣服の交換会やモノを修理して使い続けることを教えるワークショップなどが実施されています。

今年は過去最多となる計11社のパートナー企業を迎え、昨年に引き続き「新作ゼロのサステナブルファッションショー」や、お客さまが不要になった衣類を持参し、欲しいものと交換できる物々交換ブース「Bring One Get One Free」、まだ着用できる服のアップサイクル・リペアを体験いただけるブースなどを開催しました。

 

本イベントレポートの構成

1.  第一部:参画企業各社によるプロジェクトの実施背景とサステナブルファッション推進に向けた課題の説明
・プレゼンテーション(株式会社アダストリア、株式会社オンワード樫山、リフォームスタジオ株式会社)
・応援メッセージ(東急不動産ホールディングス株式会社/東急不動産株式会社、環境省、経済産業省、消費者庁)

2.  第二部:「新作ゼロのサステナブルファッションショー」
ファッションショーにモデルとして参加いただいたメルカリのお客さまからのコメント

3.  開催期間の様子
・リフォームスタジオ株式会社と連携し、家庭で不要になった3,500点以上の衣類を事前回収
・3日間で延べ900名以上がサステナブルなファションを考えるコンテンツを体験
・物々交換ブース「Bring One Get One Free」には合計285名が訪れ、678点の衣類を交換
・アップサイクル・リペアブースでのワークショップには計325名が参加
・「新作ゼロのサステナブルファッションショー」は約300名がオンラインでリアルタイム視聴

4.  参画企業からのコメント
株式会社ゴールドウイン、株式会社ベイクルーズ 、株式会社STORY&Co. 、株式会社ティンパンアレイ

ダイジェスト映像

1. 第一部:参画企業各社によるプロジェクトの実施背景とサステナブルファッション推進に向けた課題の説明

11月22日(金)は、ファッションショーに先立ち、メルカリとパートナー企業の中から、株式会社アダストリア、株式会社オンワード樫山、リフォームスタジオ株式会社が本プロジェクトの参画背景やサステナブルファッション推進に向けた課題の説明を行いました。

まずはじめに、メルカリ 執行役 SVP of Management Strategy 河野 秀治が登壇しました。
メルカリのグループミッション「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」を達成するために、フリマサービスにおける機能アップデートや実績※2を紹介。その後、世界的な課題である衣類廃棄問題について、海外の動向を交えながら解説するとともに、メルカリが2020年より実施している「グリーンフライデー」の取り組み※3について説明しました。

また、本プロジェクトに取り組む背景として、メルカリが実施した調査結果を共有しました。調査によると、直近3年間で捨てたファッションアイテムの数は平均約15個にのぼり、そのうち約3分の1にあたる5個が「新品・未使用」または「状態が良好だったもの」だと回答されています。まだ使用できるアイテムを捨てた理由としては、「サイズが合わなかった」以外にも、「改めて見ると自分に似合わないと思ったから」「デザインや色味が思っていたものとは違っていたから」といった意見が挙げられ、アイテムを活用しきれないまま手放している実態が明らかになりました。

さらに、大切にしていた洋服を着古して捨てた経験がある方の約6割が、「アップサイクルや修理による再利用ができれば捨てなかった」と回答。

また、不要になった衣類の回収ボックスを利用したことがある方は、全体の約4割にとどまる一方で、6割以上が「手軽にできるなら回収ボックスを利用したい」と答えており、捨てる以外の選択肢をより簡単で身近なものにする必要性が浮き彫りになりました。

こうした調査結果を踏まえ、河野は、「循環型社会の実現には、一次流通、二次流通、アップサイクル事業者などすべての人の協力が必要だ」と強調。それぞれの課題に対したコンテンツを提供し、「5度目の開催となる今年の『グリーンフライデー』には、11社のパートナー企業にご協力いただきました。より多くの企業と連携して、リユースやリペア、アップサイクルの商品を活用した新たな楽しみ方・着こなし方を知る機会を消費者に提供することで、『捨てるをへらす』の実現を推進していきたいと思います。」と本プロジェクトに込めた思いを語りました。

※2:メルカリ「FY2024.6 Impact Report」(https://pj.mercari.com/impact-report/FY2024_6_ImpactReport_JP.pdf
※3:これまでのメルカリのグリーンフライデーの取り組みの詳細については以下をご覧ください。
2024年度    https://about.mercari.com/press/news/articles/20241107_greenfriday/
2023年度 https://about.mercari.com/press/news/articles/20231129_greenfriday/
2022年度 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000202.000026386.html
2021年度 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000140.000026386.html
2020年度 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000113.000026386.html

次に、「新作ゼロのサステナブルファッションショー」への衣装提供を行い、アップサイクルの商品開発を行う株式会社アダストリア HARE営業部 クリエイティブディレクターの宇治 裕紀氏が登壇。宇治氏は、サンプルを廃棄するのではなく、何かに有効活用できないかという考えから生まれた「re:」※4を紹介。廃棄サンプル品をリメイクして世界にひとつだけの一点物を提供するだけではなく、「ものづくりをする上で必ず出てしまうゴミを減らすことがサステナブルファッションの課題のひとつ」と説明し、「プロダクトを制作した際に出る端切れで制作した造花など、どんなものでも新しい価値は提供できる」と話しました。「ものが新しい、古いに関係なく、新しい価値を提供したいと考えており、『re:』の考えに共感するお客さまも多く、消化率も90%です。『グリーンフライデー』を通じてサステナブルファッションに共感してくれる人を増やしたい」と参画の背景をお話しいただきました。

※4:「re:(アールイー)」(https://www.instagram.com/re.hare/

続いて、物々交換ブース「Bring One Get One Free」へのリユース製品の提供などを行った株式会社オンワード樫山 サステナブル経営グループ サステナブル経営Div.長の山本 卓司氏が登壇。山本氏は、オンワード樫山がミッションステートメントとして掲げる「ヒトと地球(ホシ)に潤いと彩りを」※5のもと取り組んでいる自社製品の「衣料品循環システムの構築」について、「2009年に開始した『オンワード・グリーン・キャンペーン』※6では、2023年から新たにインターネットでの衣料品回収をスタートしました。リユース品の厳しい検品はもちろん、リサイクルして生産した毛布や軍手などの寄贈先にもわれわれの手で直接届けたりアップサイクル品を制作するなど、大切な衣類の処理を自分たちで責任を持って行っています。」と話しました。また今回の参画理由として、「社会に普及させるためには、行政や団体、ファッション業界全体で連携し、サステナブルファッションを提案していくことが大切だという我々の考えと今回のプロジェクトの趣旨が合致しました。」とお話しいただきました。

※5:株式会社オンワードホールディングスのサステナビリティへの取り組み (https://www.onward-hd.co.jp/sustainability/
※6:株式会社オンワード樫山「オンワード・グリーン・キャンペーン」 (https://www.onward.co.jp/green_campaign/

続いて、事前の衣類回収の拠点となりアップサイクルブースの出展も行ったリフォームスタジオ株式会社 営業担当兼加工センター統括部担当取締役の細谷 哲平氏が登壇。細谷氏は、同社が経営理念に掲げる「『ものを大切にする心』を持った循環型生活への転換」のもと、リメイクなど長く使っていただくお手伝いとして展開している事業や取り組み※7を紹介。サステナブルファッションの実現に向けて「直して長く使うという意識を広めること、お直しの楽しさや新たな価値を感じてもらうこと、そして、1点ずつ思いを持って直す人材の確保と育成が課題です。」と説明しました。また、「もう使わなくなった、着なくなったものを直す、作り変えて長く使っていただくことを広く多くの方に知っていただくためには、『グリーンフライデー』のように行政や業界全体が一緒に取り組むことが重要だと思い、参画いたしました。」と参画背景をお話しいただきました。

※7:リフォームスタジオ株式会社「SDGsの取り組み」( https://reform-s.com/sdgs/

また説明会の最後では、東急不動産ホールディングス株式会社/東急不動産株式会社 コーポレートコミュニケーション部 ブランドマネジメントグループ グループリーダー眞明 大介氏、プロジェクトの趣旨に賛同してくださった環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 デコ活応援隊(脱炭素ライフスタイル推進室) 隊長(室長)島田 智寛氏、経済産業省 GXグループ 資源循環経済課 課長 田中 将吾氏、消費者庁 消費者教育推進課 課長 黒田啓太氏から、本プロジェクトへの応援メッセージをいただきました。

 

東急不動産ホールディングス株式会社/東急不動産株式会社 眞明 大介氏:当社の環境経営の三つの重点課題、脱酸素社会・循環型社会・生物多様性のうち、循環型社会の取り組みの一環として参画させていただきました。「グリーンフライデー」をきっかけに今回ご参加の企業・行政のみなさまと一緒に持続可能な社会を築いていきたいと考えています。

環境省 島田 智寛隊長(室長):ブラックフライデーに向けてセールの情報が飛び交い、消費者の購買が盛んになるこの時期に、大量生産・大量消費・大量廃棄を減らすメッセージを込めた「グリーンフライデー」は意義深い大切なものだと思い、心から賛同します。環境省としても、国民運動「デコ活」を通じ、省庁横断で脱炭素型ライフスタイルへの転換を促す運動を応援したいと思っています。

経済産業省 田中 将吾課長:サステナブルな消費は「言うが易し行うは難し」です。経産省としても、官民パートナーシップや投資支援、新たな制度の制定などの対応を検討しており、若い世代も楽しみながら資源循環を進めていけるようにサポートさせていただきたいです。

 

消費者庁 黒田 啓太課長:サステナブルファッションに向けた消費者の取り組みの第一歩は、ごくごく簡単で身近な行動からすぐに踏み出せるものです。本イベントが多くの方にとって、ファッションを楽しみながら、自分にできることを日々の行動にひとつ取り入れてみるきっかけになることを期待します。消費者庁としても、未来を担う若者に向けた発信など積極的に取り組んでまいります。

2. 第二部:新作ゼロのサステナブルファッションショー

「新作ゼロのサステナブルファッションショー」では、メルカリを通じて募集した一般のお客さまやパートナー企業のスタッフ、インフルエンサーがモデルとして登場し、パートナー企業が提供するリユース・アップサイクルのアイテムやモデルの方がご自宅で使わずにいた衣類などを活用して人気ファッションスタイリストRIKU OSHIMA氏がスタイリングしたコーディネートを披露しました。(衣装提供:株式会社アダストリア、株式会社オンワード樫山、株式会社ゴールドウイン、株式会社ティンパンアレイ、株式会社ベイクルーズ、リフォームスタジオ株式会社、株式会社メルカリ)

ファッションショーにモデルとして参加いただいたメルカリのお客さまからコメントをいただきました。

水村 有伽さん(写真2枚目、右端):クローゼットに眠っていた服が素敵なコーディネートで甦る姿を見て感動しました。これまでは着なくなった服は捨てて新しいものを購入していましたが、今回のイベントを通して服のリユースに非常に興味を持つことができました。自分が着なくなった服もまだ誰かが着てくれるかもしれない、という服の再生の可能性を改めて考えることができました。ショーでは普段はしないようなコーディネートをしていただきとても新鮮でした。服のリユースという観点を含めて自身のファッションの幅も更に広げていきたいと思います。

 

関 琢磨さん(写真4枚目、右から2番目):日頃から利用しているメルカリさんの大きなイベントに出演できたこと、本当に嬉しく思っております。今回ショーで生かしていただいた柄のシャツは母親が買ってくれたもので、一枚で着る以外の選択肢がわからず、タンスの奥に眠っていました。しかし、スタイリストさんたちの素敵なセンスでまるで本当のコレクションのようなスタイリングに仕上げていただいて、まだ他に眠っているアイテムにも活かし方の可能性を感じる良いきっかけになりました。

3. 「メルカリ グリーンフライデープロジェクト2024〜新作ゼロのファッションフェス〜」開催期間の様子

〜子どもから大人まで、延べ900名以上がサステナブルファッションを楽しむ〜

「メルカリ グリーンフライデープロジェクト2024 〜新作ゼロのファッションフェス〜は11月22日(金)から11/24(日)の3日間にわたり開催され、延べ900名以上の方にご参加いただきました。

「新作ゼロのサステナブルファッションショー」のオンライン配信は300名の方にリアルタイムでご視聴いただきました。

会場では、リユース・リペア・アップサイクルを身近に楽しく体験いただけるブースを用意し、ご来場の方にサステナブルファッションの魅力を体感いただきました。またイベントに先立ち、リフォームスタジオ株式会社と連携して実施した、不要になった衣類の事前回収※8では、3,500点以上の衣類が集まり、各体験ブースで活用されました。

お客さまが不要になった衣類を持参し、会場で用意しているアイテムと交換できる物々交換ブース「Bring One Get One Free」では、285名の方にご参加いただき、678着の衣類が新しい持ち主の手に渡りました。実際に物々交換された方からは、「昔は洋服を捨てていて、心苦しい感覚があった。誰かに使ってもらえるのはうれしい。」「自分が着なくなった服でも、他の人にとってはお宝になる場合もあるのが面白い。」「一般のアパレルショップにはないレトロなデザインが見つかって楽しかった。」といった感想をいただきました。

また、事前回収された衣類などを使ったアップサイクルのワークショップブースやリペアブースには、合計325名の方にご参加いただきました。体験された方からは、「普段なら捨ててしまうものも、リペアや刺繍で長く使えるようになり感動した。」「子どもが家に帰ってもアップサイクルを続けたいと言っていた。成長して着られなくなった服を家族で再利用したい。」など、ご家族で参加された方々にもご好評をいただきました。

さらに、「グリーンフライデー」という言葉自体を初めて知った方からは、「偶然通りかかり興味を持った。リユース・リペア・アップサイクルを知り、循環の大切さを感じた。」という声もあり、サステナブルファッションへの新たな関心を生む場にもなりました。

※8:2024年10月11日 メルカリ プレスリリース「メルカリ、イオングループのリフォームスタジオと連携し、 全国に388店舗を展開するマジックミシンで不要になった衣類の回収を期間限定で実施」(https://about.mercari.com/press/news/articles/20241011_greenfriday/

 

4. 参画企業からのコメント

参画企業の皆さまにも、「メルカリ グリーンフライデープロジェクト2024 〜新作ゼロのファッションフェス〜」を終えた感想を伺いました。

株式会社ゴールドウイン 畑野 健一氏:昨年に引き続き、「グリーンフライデー」のイベントに参加させていただき、ご参加されている一般ユーザーの方の関心が前回よりも上がっていることを感じました。特に今回は一般の方のイベント参加を促すため、多くの企業の方がユニークなコンテンツを準備したこともその後押しに繋がったのではないかと考えております。
アパレル産業は環境に悪影響を及ぼす産業の第2位と言われております。
弊社も独自の事業活動として環境配慮に取り組んでおりますが、より多くの方がこの問題解決に興味・関心・参加いただくために他業態、他社の方々と連携も必要不可欠と感じており、本イベントの意義は大きなものと考えております。
このイベントが次年度以降もさらに大きなものとなり、大きなメッセージや影響を及ぼすイベントになることを期待しております。

 

株式会社ベイクルーズ 中野 拓也氏:各企業のサステナブルな取り組み事例を伺い、大変感銘を受けました。弊社でもこれらを参考に、新たな価値創造に努めてまいります。
リユース業界で10年以上働いてきた中で、時代の変化とともに消費者の意識が大きく変わり、ファッションだけでなく車や不動産など、リユースが当たり前になりつつあると感じています。一方で、中古品に抵抗を持つ方も多く、そうした不安を最大限払拭し、満足いただける商品とサービスを提供することが我々の大きなミッションと捉えています。
リユースは「一点もの」「一期一会」といった魅力に満ちており、多くの人にその楽しさを知っていただけることを願っています。今後も、弊社のファッションアイテムの提供サービスを通じて、一人でも多くのお客様に新しい価値観をお届けできるよう努めてまいります。

 

株式会社STORY&Co.  大和田 洋子氏:今回のイベントでNewMakeブースでは回収された衣料や余剰在庫のリボンを活用したアップサイクルチャームを作るワークショップと、キッズ向けのアップサイクルワークショップを開催しました。子どもから大人まで多くの方にご参加いただき、思い思いのデザインを楽しんでいる姿にこちらも元気をいただきました。
このイベントで、参加者がアップサイクルの楽しさを実感しながら、新しい形に生まれ変わらせる体験を通じて地球に優しい第一歩を知るきっかけになってもらえたら嬉しく思います。

 

株式会社ティンパンアレイ 桜庭 邦洋氏:「新品でなくてもファッションを楽しめる」というパワーが伝わるファッションショーでした。モデルの皆さんの自信にあふれてファッションを楽しむ姿がとても印象的でした。
また、私自身もイベントの中のリペアのショップを利用させていただきました。 しっかり修理していただき、「少しの故障で服を手放すのはもったいない」と改めて感じました。自身の服を、修理や新たなコーディネートで大切にする経験を多くの方にしていただくことが、サステナブルなファッションの普及につながると感じました。 「グリーンフライデー」はその大切さを実感できるイベントだったと思います。

メルカリは、グリーンフライデープロジェクトを通じ、企業の垣根を超えてサステナブルなファッションをより身近に楽しむ方法を提案し、ともに「捨てるをへらす」サーキュラーエコノミーの実現を目指してまいります。