コロナ蔓延初期に数量指数が上昇したオーラルケア関連商品、現在は下降傾向
ベースメイクの取引はコロナ前と同水準に復調
メルカリ総合研究所より、「メルカリ物価・数量指数からわかる11月トレンド」をご紹介いたします。
「メルカリ物価・数量指数」について
「メルカリ物価・数量指数」は、月間利用者数2,070万人超のフリマアプリ「メルカリ」を活用し、「メルカリ」内の取引価格と流通数量の変動状況を、「メルカリ」における商品カテゴリー毎に月単位で表す価格指数・数量指数です。個人間商取引における消費者の需要を可視化していく世界初※1の取り組みです。各種データを参照した消費トレンドを発信している報道関係者をはじめ、物価変動を取り扱うマクロ経済学、消費者行動、マーケティング等の研究者に情報を開示し、経済・研究活動に寄与することを目的としています。
本ニュースレターでは、「メルカリ」の“中カテゴリー”に限定し、前年同月比で物価および数量指数が上昇、または下落した商品カテゴリーを紹介しています。
※1:メルカリおよびUTEcon調べ
11月のポイント
1.コロナ蔓延初期に数量指数が上昇したオーラルケア関連商品、現在は下降傾向
2.ベースメイクの取引はコロナ前と同水準に復調
2022年11月、物価指数が上昇・下落した商品カテゴリーTOP10(前年同月比)
※前年同月比 物価下落 TOP10は、100%未満のカテゴリーを掲載しています
<ピックアップ>コロナ蔓延初期に数量指数が上昇したオーラルケア関連商品、現在は下降傾向
2020年5月から数量指数が高い水準を維持し続け、新型コロナウイルス感染症の拡大期も数量指数は基準値(2018年1月)より4倍の取引数を維持しながら推移し、2022年5月以降はやや落ち着きを見せておりますが、2022年11月時点でも基準値より3倍の取引数となっています。
<ピックアップ>ベースメイクの取引はコロナ前と同水準に復調
昨今の一次流通における化粧品の値上げもあり、「コスメ・香水・美容」の各カテゴリーのメルカリ物価・数量指数をみたところ、「メルカリ」におけるベースメイク関連商品は、物価・数量指数ともに上昇基調にあることがわかりました。
ベースメイクは、新型コロナウイルス感染症が拡大する初期(特に2020年4月時点)に数量指数が下落。外出機会の減少に伴い、「メルカリ」ではベースメイクの買い控えが起こった可能性が示唆されます。一方、2022年11月時点の数量指数(1.43)は、2020年1月時点の数量指数(1.44)とほぼ同水準となっています。また、メルカリが発表した2022年「メルカリトレンドワード」※2の急上昇カテゴリーランキングでも「ベースメイク」がトップになるなど、外出制限がなくなり、外に出る機会も増えたことから、コロナ前と同程度に取引が行われるようになったと考えられます。
※2:2022年「メルカリトレンドワード」https://about.mercari.com/press/news/articles/20221219_trendword/
コメント
株式会社メルカリメルカリ総合研究所研究委員 志和あかね
新型コロナウイルス感染症の影響により、マスク生活を余儀なくされるなか、自身の口臭が気になるようになった等の理由から、オーラルケア意識が高まったと言われています。
メルカリ数量指数を見ると、コロナの流行に合わせて「メルカリ」上でもオーラルケア関連商品が活発に取引されていたことがわかります。一方で、2022年以降のメルカリ数量指数は下降傾向になっています。昨今では屋外のマスク着用は原則不要となるなどの理由から今後ますます下降していくことも考えられます。
今後の注目ポイントは、昨今の値上げの動きが消費行動に対してどのように影響するかでしょう。2021年10月に、メルカリとアイスタイルが実施した「化粧品・コスメの二次流通市場」に関する調査※3では、化粧品・コスメを二次流通市場で購入する人の40.1%が、使ったことがない化粧品を試すための“トライアル消費”を実施していることがわかりました。一次流通における化粧品・コスメの値上げの動きは、「購入を失敗したくない」という消費者心理を後押しし、まずは安価に、トライアル(お試し)で購入ができる「メルカリ」での化粧品・コスメ購入を活発化させる可能性があります。
ベースメイクの傾向をみるとコロナ前の状況に戻りつつあると言えますが、物価上昇による市況の変化が二次流通市場にどのような影響を与えるか、今後も注視していきたいと思います。
※3:「化粧品/コスメの二次流通市場」に関する調査
https://about.mercari.com/press/news/articles/20211014_cosmesurvey/